フッ化炭素基を疎水基の一部に含む界面活性剤の合成とその物性に及ぼす構造効果
Project/Area Number |
61550618
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 功 阪大, 工学部, 助教授 (70029049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益山 新樹 大阪大学, 工学部, 助手 (30157218)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | フッ素系界面活性剤 / ペルフルオロアルキル化 / 直鎖状フッ化炭素 / 分枝状構造 / 表面エネルギー / 表面改質 / ペルフルオロ-2-メチル-2-ペンテン |
Research Abstract |
ファインセラミクスや電子材料など先端技術においては、材質のみならず表面あるいは界面の性質が製品の性能に極めて大きな影響を及ぼす場合が多い。一方両親媒性化合物である界面活性剤は固体や液体表面のエネルギーを変化させることが可能であって、多方面で利用されている。本研究では、界面活性剤の中でもその活性が特に高いフッ化炭素を疎水基の一部として含むものを、現在の技術段階では利用価値の比較的低いペルフルオロプロペンオリゴマーから合成し、その構造と界面物性の相関について検討した。まずペルフルオロ-2-メチル-2-ペンテンによるハロゲン化ベンジルのペルフルオロアルキル化が、従来はフッ素化剤として高価なフッ化セシウムを必要としていたが、反応系を考案することによってより安価なフッ化カリウムで代替し得ることを明らかにした。次に、上記の反応を、シアノ基を置換基に持つ臭化ベンジル誘導体に応用し得ることを明らかにし、さらに濃硫酸中あるいは強アルカリ溶液中でも副反応を惹起せずに目的とする加水分解反応が進行することを示した。このようにして得たカルボキシル誘導体はフッ化炭素グループが、分枝状構造を持ち、しかも疎水基として作用する構造要素の一部を占めるに過ぎず、従来のフッ素系界面活性剤に見られる、全疎水基が直鎖状フッ化炭素であるものとは異なって、表面吸着状態ひいては物体表面の改質状態にも何らかの変化が期待される。合成した化合物のナトリウム塩を例に水溶液物性を測定した。フェニレン基の置換形式が重要な因子となっており、パラ置換体が最も高い表面活性を示し、臨界ミセル濃度2.7×【10^(-3)】mol/lで19.0mN/mという従来のフッ素系界面活性剤と比較して遜色のない性能を示すことが判明した。高価なフッ化炭素基は利用価値の少い原料に求め、しかも疎水基の一部にだけ使用して勝れた性能を付与し得たことは省資源の立場からも大きな成果と言えよう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)