Project/Area Number |
61550634
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
光藤 武明 京大, 工学部, 助手 (90026344)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ルテニウム錯体 / 触媒 / 共二量化反応 / エノールエステル / プロパギルカルボネート / アリル化反応 / パラジウム |
Research Abstract |
1.(シクロオクタジエン)(シクロオクタトリエン)ルテニウム-第3級ホスフィンを触媒とするアセチレンとジエンとの共二量化反応により各種エン-インの合成法を確立し、テルペン等の合成への応用を行ない、D化アセチレンの反応によるDの分布を検討することにより反応機構を明らかにした。本反応は活性、選択性共に極めて高く、ルテニウム錯体にのみ特有な新しい炭素-炭素生成反応であり、ルテニウム錯体の特徴的な反応を明らかにした。2.ビス(シクロオクタジェニル)ルテニウム-ホスフィン系触媒によるアセチレンへのカルボン酸の付加反応をさらに検討し、無水マレイン酸を系に触媒量加えることにより、一般的にカルボン酸はアセチレンに付加し、高収率かつ高選択的にエノールエステルが生成することを見出した。例えば酢酸と1-ヘキシンとを80℃、4時間反応させると2-アセトキシン-1-ヘキセンが99%、1-アセトキシ-1-ヘキセンが1%の収率で得られた。エノールエステルの生成速度は触媒,アセチレンならびにカルボン酸にそれぞれ一次であり、D化酢酸の付加反応の結果とも考え合わせ、ルテニウムに配位したアセチレンへのカルボン酸の付加反応により進行するものと推定した。本反応により、これまで有毒な水銀塩を用いる方法とは根本的に異なる新しいエノールエステル合成法が確立された。3.2の反応をプロパギル化合物と酢酸に適用すると、配位子を選ぶことにより、選択的に2-アセトキシ-アリルアルコール誘導体を合成することができた。これらのアリル化合物は2位にアセトキシ基を有するアリル基を導入する試薬として極めて効果的であることを見出した。例えばプロパギルエチルカルボネートと酢酸との反応により得られる2-アセトキシアリルカルボネートは、2-シクロヘキサノンカルボン酸エステルとパラジウム錯体触媒存在下で反応し、92%の収率で2-アセトキシアリル化物を生成した。
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