Project/Area Number |
61550672
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加倉井 敏夫 信大, 繊維学部, 教授 (30016282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 清一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90021154)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 多含窒素高分子 / 芳香族ビスシアナミドの熱環化 / アミド結合をもつ芳香族ビスシアナミド / 1,3,5-トリアザ化合物のアシル化 / トリアザ化合物を含むモノマー |
Research Abstract |
本研究は構造的に安定なs-トリアジンに着目して、炭素-窒素交互結合鎖,ポリアザ化合物を用いる環化反応および多含窒素高分子の合成に関するものである。まず、熱環化により容易にトリアジン誘導体を与えるシアナミドを利用する耐熱性樹脂の合成については、芳香族アミド結合をもつ芳香族ジアミンを合成し、これと臭化シアンの反応により、芳香族アミド結合をもつ芳香族ビスシアナミドを得た。芳香族ビスシアナミドの融点は殆んどが、300℃以上であり、示差熱分析による環化温度も200〜250℃であった。これをN-メチル化すると環化温度は150〜200℃となり、硬化物の熱重量分析による熱分解温度は450℃を示した。一方、脂肪族アミド結合をもつ芳香族ビスシアナミドは鎖長により異なるが、環化温度は140〜200℃,熱分解温度は400℃で、両者ともホットメルト型耐熱性樹脂としての可能性を示した。つぎに、トリアザ化合物を用いる多含窒素高分子の合成では、まず、トリアザ化合物のアシル化反応を行った。ビュウレットなどは塩基試薬を加えないと反応は起こらない。一方、グアニル尿素,ビグアニドは低温でもアシル化された。アシル化体のトリアジン形成の環化反応はアシルビュウレット,アシルグアニル尿素では塩基試薬を加えないと反応しないのに対し、アシルビグアニドはアシル化と同時に環化した。また、ジシアンジアミドのアシル化はビュウレット程度であったが、環化反応性は比較的高かった。そこで、ジシアンジアミドとグアニル尿素をアクリル酸クロリド,メタクリル酸クロリドでアシル化し、それぞれのモノマーを合成し、これらをラジカル重合により、水溶性の多含窒素高分子を合成した。これらのポリマー水溶液はキレート形成能を示した。また、塩基試薬の処理で環化し、トリアジンポリマーを与えた。以上の結果、ポリアザ化合物を用いて、興味ある多含窒素高分子を合成することができた。
|