Project/Area Number |
61560012
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岩間 和人 三重大, 教育学部, 助教授 (70144219)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | バレイショ / 根乾物重 / 根活力 / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
バレイショの根系育種における基礎的知見を得る目的で、圃場に栽培した交配親の異なる3組の個体2次分離集団(各50系統)および近縁野生種(8種)と栽培種(12系統)について、根の生理・生態的形質を調査した。 1.開花期および開花後30日において、根乾物重(根重)および根の活力の指標である単位根重当りの根呼吸速度には、分離集団間に差異が認められ、ツニカを親とする集団はシルテーマおよび島系538号を親とする集団に比べ根重が大きく、逆に根活力が小さかった。しかし、根重の差異は根活力の差異に比べ大きく、個体当りの総根活力は根重の差異による影響をより強く受けた。また、葉、茎および塊茎の乾物重は、根重と同じく、ツニカを親とする集団で最も大きかったが、集団間における根重の差異は他の部位の乾物重の差異に比べ大きかった。 2.開花期における根重では、野生種間および栽培種系統間で大きな差異が認められ、S.phurejaはいずれの栽培種系統よりも著しく大きな値を示した。また、栽培種に比べ野生種では葉重が小さく、このためS.phureja,S.microdontumおよびS.stoloniferumの根重/葉重比は栽培種の系統に比べ大きな値を示した。一方、単位根重当りの根呼吸速度および根長における野生種間および栽培種系統間の差異は根重の差異に比べ小さく、根活力において栽培種の系統を著しく凌駕する野生種は認められなかった。 以上のことから、根重における遺伝的変異が大きいことが明らかとなり、養分吸収能力を高めるには根重の大きな系統を選抜することが根重当りの根活力の選抜に比べより容易であるものと推察した。なお、1および2の調査試料における根の内部形態,分枝根の発生状況および窒素吸収量については、現在解析中である。今後、今年度行った近縁野生種と栽培種との交配種子により実生根の遺伝的変異を明らかにする。
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