Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
(目的)ホルモンによる脂質代謝機構の解明の一手段として種々のペプチドを合成し、脂肪動員活性を調べた所、REGFFF(以後ペプジドは一文字記法にて表わす)が強い活性化を示した。これまでの脂肪動員に関する研究から考えて、従来提唱とは異る作用機構により活性発現がなされると考えられたのでその機構を解明すべく研究を進めている。 (方法)塩基性,酸性及び疎水性残基を有する各種ペプチドを液相法により合成した。これらのペプチドについて、ラッテの副睾丸脂肪細胞を用い脂肪酸遊離能及び【^(14)C】-gl【c^-】を用い脂肪合成能を調べた。dipalmitoyl phosphatidy lcholne(DPPC)を素材とするLiposomeを作成し、ブタ肝よりのphospho lipase【A_2】(【PLA_2】)の作用に対する合成ペプチドの効果を調べた。ペプチドの疎水性と作用の関係を調べるため、HPLCによる保持時間(RT)の測定,各種の疎水性の計算,施光分散(ORD),円二色性(CD)の測定,Conformation energyの計算等を行なった。 (結果)多くの合成ペプチドの中、何らかの活性を有するものはREGFFF,KDLL,KDGFFF,KDGFFY,REFFF,LLKEL,LLERL,REGFFY,ERGFFF,ERGFFY,DKGFFYなどであった。これらのペプチドについてDPPC-Liposumeを用いて$$PLA_2$$の活性を調でたが、活性は検出されるが、濃度は0.5〜1mM必要とされるので実用には乏しいことが分った。しかし、生理活性とペプチドの構造関係の一般則は算出できた。即ち、上記合成ペプチドのRTと疎水性(H)の関係は、Kyteによる係数を用い、かつ、平均Hを用いた場合、よく相関し、H=$$(-12.07)/(RT-3.47)+2.87或いはRT=7.94$$H^2$$+21.9H+17.9などの経験式で表わせ、生理活性を有するペプチドのHは-0.074〜0.205の間にある必要があった。脂肪動員活性を示し得るペプチドは塩基性及び酸性の残基を有しKyteによる平均疎水性が上記の間になるペプチドである。活性発現には陰陽両イオンが直接作用し、疎水領域が至適の環境作りをしていると云える。
|