ペルオキシソームの構造形成に必要な酵母遺伝子群の解析と異種細胞内での発現
Project/Area Number |
61560123
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
発酵・醸造
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上領 達之 広島大, 総合科学部, 助教授 (50025649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋本 伸雄 広島大学, 総合科学部, 助手 (20127658)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ペルオキシソーム / 脂肪酸CoA酸化酵素 / 蛋白質の細胞内輸送 / 無細胞輸送系 |
Research Abstract |
1.不完全酵母Candida tropicalisのペルオキシソーム機能を代表する脂肪酸CoA酸化酵素は少くとも3種類の遺伝子で構成される典型的な多重遺伝子族によって支配されている。その中で最も長大なPOX2の完全な塩基配列をその隣接領域を共に決定した。既知の遺伝子族成員、POX4,POX5のそれを比較したところ、上記3種類の遺伝子はいずれもイントロンを含まないこと、それぞれの5´上流調節領域にはペルオキシソーム系遺伝子の共通な発現調節に関与する可能性の高い8塩基対の反復配列および17塩基対からなる1回転対称型配列が存在することが明らかになった。 2.POX2の発現産物であるPXP-2の精製を試みた。PXP-2はPOX4の発現産物PXP-4と等モル複合体を形成する蛋白質であった。PXP-2はサブユニットあたり1個のフラビンを含んでいたが、それ自体の脂肪酸CoA酸化酵素活性は明確ではなかった。エドマン分解法によって決定されたそのN末端アミノ酸配列はPOX2の塩基配列から推定された翻訳可能領域のメチオニンを除く第2残基以降と合致しており、翻訳後の局在化の過程でN末端ペプチドの切断を受けていないこと、従ってペルオキシソーム系蛋白質の局在化機構は従来知られたものとは異なるものであることが明らかになった。 3.このような局在化機構を解明するために試みた本酵母ペルオキシソーム系遺伝子の異種酵母内発現が困難であったので、無細胞輸送系の構築を企画した。このオルガネラを代表する3種類の蛋白質(またはその前駆体)を無細胞系で翻訳し、さまざまな精製法で調製したペルオキシソームへの輸送を試みた。しかし本酵母の内在性プロテアーゼ活性が予想外に強く、各種プロテアーゼ阻害剤の使用のいかんにかかわらず、PXP-4とPXP-9は分解されてしまった。PXP-18は見かけ上分解を免れたが、現時点ではその有意な輸送を検出することはできなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)