セルラーゼレスミュータントを用いたパルプ製造および木材糖化
Project/Area Number |
61560201
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
榎 章郎 近畿大学, 農学部, 助教授 (80027169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕美 近畿大学, 農学部, 助手 (30140338)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | セルラーゼレスミュータント / キンイロアナタケ / 木材糖化 / セルラーゼ / リグニナーゼ |
Research Abstract |
前年度において, 種々の白色腐朽菌のセルロース分解力およびリグニン分解力を測定した. その結果当研究室のキンイロアナタケ株がセルロース分解力を持たず, リグニン分解力を有し, 木材中のリグニンとヘミセルロースを選択的に分解することがわかった. またこの菌の最適pHおよび温度は4〜5および28〜30°Cであった. 今年度はこの最適発育条件で, 大規模な腐朽実験(1kgの木材片を2.5lの培地上で腐朽させた. )を行い, 腐朽木材の分析を行った. 3ケ月間腐朽させても, ブナ材の平均重量減少率は5%に満たず, スギ材はほとんど腐朽されなかった. この結果は木材の分解(特にリグニン)にはグルコース等の単純な糖類が必要であることおよびこの白色腐朽菌は針葉樹を分解できないことを示している. それ故にこのセルラーゼレスミュータント, セルラーゼおよび酵母を連続的に木材に作用させて, 木材中のセルロースをグルコースやアルコールに交換することは経済的になりたたないことが判明した. 培地中にグルコース等の単純な糖類が存在するうちは, この菌は木材中のリグニンを選択的に分解するが, 腐朽が進み単純糖類もなくなると木材中のセルロースも分解されるようになった. また腐朽の初期程, 木材分解速度は大きく, 腐朽の進行と共に木材分解速度は小さくなった. この菌を用いてリグニン含量の異なる腐朽ブナ材を調製し, これを微分細した後, トリコデルマ由来のセルラーゼを作用させて, 糖化率を測定したところ, リグニン含量と糖化率は反比例した. 木材中のリグニンが約半分分解除去した木粉では, セルラーゼにより材中の多糖の70%が単糖に分解された.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)