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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
これまでに、養魚飼料に藻類を添加してハマチ,マダイ,クロダイ,アユなどの養殖魚に投与すると、代謝が改善されて体成分が変化し、ストレス耐性が向上することが明らかになっているので、本研究では藻類投与が抗病性に及ぼす効果について検討を行った。試験に先だって抗病性の指標について検討するため、白血球数,白血球の食菌能,血清の補体活性,免疫機能,細菌による攻撃試験について予備試験を行った。血清の非特異的溶血活性(【SH_(50)】)をウサギ,ヒツジ,ニワトリの赤血球を用いて比較したところ、コイおよびマダイではウサギ赤血球に対する感受性が最も高いことが明らかとなった。また、血清の液体窒素中における保存においても、少なくとも11日間は活性に変化はなかった。【SH_(50)】と血清の殺菌作用などの補体活性の経路の検索にキレート剤を用いて調べたところ、免疫前の血清における作用は代替作用(Alternative pathway)であり、免疫後では古典経路(Classical pathway)によるものと考えられる。 これらの手法を用いて、マダイの抗病性の向上に及ぼすアオサ添加飼料の効課について調べた。マダイに5%のアオサ粉末を添加した精製飼料を投与することにより、顆粒球数は変化しなかったが、顆粒球のPastaurella piscicidaに対する食菌作用が向上し、リンパ球数が増加した。アオサ投与マダイの白血球の食菌作用は絶食後においても高い値を示した。アオサ投与は抗体産成能の向上においては全く効果は認められなかったが、【SH_(50)】や補体のE.coliやP.piscicidaに対する殺菌活性には効果が認められた。P.piscicidaを用いた人為感染実験から抵抗性の向上に明確なアオサ投与の効果は認められなかったが、種々の抗病性の指標にあらわれた結果から、マダイに対するアオサ粉末の投与は細菌感染症に対する抗病性の向上に有効であることが判明した。
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