渦鞭毛藻Protogonyaulax属の麻痺性貝毒生産能に関する研究
Project/Area Number |
61560226
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 泰克 東北大, 農学部, 助教授 (60111267)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 麻痺性貝毒 / Protogonyaulax属 |
Research Abstract |
まず麻痺性貝毒分析装置に改良を加え、テトラブチルアンモニウムを対イオンとするイオンペアークロマトグラフィーを導入することによって、これまで分離が困難であったgonyautoxin【VIII】【GTX_8】、epi【GTX_8】等sulfonate型麻痺性貝毒の分離に成功し、全成分の分析を可能とした。 Protogonyaulax属の代表として噴火湾産のP・tamarensisを選び、温度,照度,塩濃度,栄養塩濃度を変えて単藻培養し,継続的に藻体を集めて抽出した毒を上記分析法で定量した。基本とした15℃,4500Lux,100%海水Guil-Lard"F"培地による培養では約4日の順応期の後対数増殖期に入り、約2週間で定常期(30.000cells/ml)に達した。細胞当りの毒力は植え継ぎ時の3pmolから急速に上昇し、3日後には13pmolに達し、その後漸減して定常期になるとともに当初のレベルに戻った。この間の毒組成は【GTX_8】(77〜85%),eDi【GTX_8】(3〜5%),【GTX_4】(10〜15%),【GTX_3】(3〜5%),【GTX_1】(0〜2%)と安定していた。ヘマトクリト管で測定した細胞体積も2×【10^(-11)】lと変化しないことから、先にマウス毒性試験で観察された毒力変化は強毒成分あるいは体積増加によるものではなく、毒の絶体量の変化によることを明らかにした。温度範囲10〜20℃,照度1500Lux以上、塩濃度20%以上では上記基準条件と同様の増殖を示し、対数増殖期直前にピークがある毒力変化のパターンも一致していた。しかし5℃下の増養では遅く世代時間は通常の2倍以上であった。毒力は最高の41pmoLを示し,高毒力期が2週間以上続いた。ほぼ同世代時間を示した単純濾過海水による培養では,最高毒力は12pmolと通常の培養と同レベルであったが高毒力が長期にわたって観察された。大船渡湾等で認められた低水温期の高毒力細胞は、先に行なったアイソザイム分析の結果と合わせると、系群による毒力の違いではなく、増殖条件による差であることが推定された。
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Report
(1 results)
Research Products
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