Project/Area Number |
61560237
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 淑人 鹿大, 水産学部, 助教授 (50041728)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | カロテノイド / 軟体動物 / 後鰓類 / アポカロテノイド |
Research Abstract |
1 軟体動物後鰓類7種につきカロテノイド組成を調べた結果、主成分別に分類すると次の様であった。ルテイン(アメフラシ,ジャノメアメフラシ,アマクサアメフラシ)レニエラテンおよびイソレニエラテン(クモガタウミウシ),フコキサンチン(イシガキウミウシ)、未同定のα-ドラデキサンチン様物質(ミヤコウミウシ),アポカロテノイド(タツナミガイ)。 2 タツナミガイ約20kgより通常のカロテノイドと異なる二種の未同定カロテノイドを抽出分離し、その物理化学的性質などからこのカロテノイドはβ-アポ-8'-カロテナールおよびシトラナキサンチンと同定でき、いずれもアポカロテノイドであった。この様な陸上の柑橘類にのみ報告のあるカロテノイドが海産動物に見出された事およびその由来が非常に興味が持たれる。 3 アメフラシについては成体,幼体,卵について調べ、成体時は主成分はルテインであり幼体時はフコキサンチンである事より、幼体時に主に褐藻類を、成体時には緑藻類を摂取しその主成分をそのまま同化していると思われる。また卵はルテインとフコキサンチンの比率および含量により色調を異にしており、親成体の摂取藻類により色調が異なると予想した。 4 全般的に後鰓類7種とこれらの食性からカロテノイド代謝を考えると生息海域で褐藻,緑藻および海綿等を摂取しそれらの主成分を動物の主成分としていると言えるが、細かく見るとタツナミガイに見られる様に摂取したカロテノイドの一部をアポカロテノイドに変換しているのではないかと思う。5 今回の研究では先に後鰓類で報告のあるトリオファキサンチンやホプキンシアキサンチンは見出されなかったが、これらと同族のβ-アポ-8'-カロテナールやシトラナキサンチンが見出された事より、今後アポカロテノイドを中心とした残された未同定カロテノイドの同定および構造決定を進め、それらの代謝を解明したい。
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Report
(1 results)
Research Products
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