Project/Area Number |
61560289
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農業気象・生物環境制御学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
清田 信 阪府大, 農学部, 助教授 (90117995)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 貯蔵ガス環境調節 / 鮮度保持 / 熱帯性果実 / プラスチックフィルム包装貯蔵 / 二酸化炭素濃度 / 酸素濃度 / ガス透過性 |
Research Abstract |
輸入の急増している熱帯産果実(アボカド,パパイヤ)の鮮度を保持する好適なガス環境を求め、プラスチックフィルム,ガス吸着剤を利用した簡易なガス環境調節法について検討した。 1.パパイヤ果実の呼吸量は、気温30℃において酸素濃度2〜3%で通常大気のときの約40%に抑制された。気温が高いほど速く果皮の緑色部が黄変したが、酸素濃度2%の場合、通常大気のときより緑色から黄色への変化が抑えられ、緑色部が50%変化する期間で比較すると気温25℃ではその期間が1週間延長され、果実の軟化も抑制された。鮮度を保持する上で簡易な方法として主に酸素濃度の調節が有効であることが認められた。 2.ポリエチレンフィルムでアボカドを密封した場合、0.1mmのフィルムでは、酸素濃度が2〜5%,【CO_2】濃度は15〜20%,0.06mmのフィルムで酸素濃度は3〜8%であった。果実をポリエチレンフィルムで密封し、果実自身の呼吸によって低酸素濃度環境をつくった場合、フィルムの厚さが増すと、アボカド,パパパイヤ果実の表皮の黄変が抑えられ、0.1および0.06mmのフィルム内の果実でその抑制は著しかった。ソーダライムを同封し包装内部の【CO_2】濃度の上昇を抑えることによって、果実の黄変、軟化が若干抑制された。 3.しかし、厚いフィルムの透湿性は低いため高湿となり、25℃の場合、果こうを中心に約5日後に菌が発生し、商品性はなくなった。また、包装内部は高【CO_2】濃度となるため果実表皮に傷害が現われることもあった。 4.果こう部の菌の発生は、その部分に油被膜をつくることによって抑えられたが、今後は、包装内の果実近傍の湿度調節のため、空気の流動や、簡易な除湿法を検討することによって、果実の鮮度保持にプラスチックフィルムを利用した方法が有効となりうる。さらに、種々のガス透過機能をもつフィルムの利用による方法が今後の課題である。
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