Project/Area Number |
61570002
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 敏行 東北大, 医学部, 教授 (90004530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 寛 東北大学, 医学部, 助手 (40151104)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 網膜 / 杆状体 / シナプスリボン / 電子顕微鏡 / 日周変化 / カメ |
Research Abstract |
ミドリガメを水温23℃の定温水槽に飼育し、さまざまな照明条件下に置いたのち、眼球を摘出、網膜の超薄切片を透過電顕にて観察した。水面上の照度100luxで6時点灯18時消灯の明暗周期に置くと、杆状体細胞のシナプスリボンは著明な日周変化を示す。すなわち、0時にはほとんど単一棒状で平滑な輪郭を有するが、以後次第に核下部に向かって伸長するとともに多層化し、10時〜12時には6〜8層に並ぶようになる。同時に、各リボンの輪郭は平滑でなくなり、夕刻には崩壊し、17時には多数の断片に千切れる。消灯後は数個の球となり、0時に再び単一棒状に戻る。照度を1luxに下げても、同様な日周変化がおこる。 18時点灯6時消灯と明暗を逆転させると、シナプスリボンの日周変化のリズムも逆転し、12時に単一棒状、22時〜24時に多層となる。したがって、リボンの変化を起こさせる因子は照明条件であろうと考えられる。 次に、6時点灯18時消灯で数日間飼育したのち、18時以降も点灯を継続して明状態に置くと、リボンはほぼ17時の形態、すなわち多くの断片の集合の形にとどまる。また、明暗を続けたのち6時に点灯せず暗状態を継続すると、リボンはほぼ5時の形態すなわち2〜3層に多層化した形にとどまる。さらに、一眼を遮蔽し他眼は無処置のままにして明暗周期下に置くと、無処置側のシナプスリボンは正常動物におけると同様の日周変化を示すが、遮蔽側のリボンは単一棒状のままに推移し、日周変化を示さない。 以上の所見から、杆状体細胞シナプスリボンの日周変化を起こさせる因子は周期的な光刺激であり、周期的光刺激を停止すればリボンの日周変化も停止すること、したがって内因的な周期とは考えにくいこと、両眼を共に支配するような諸因子の影響は明らかには認められずおそらく眼内の局所的な反応の思われることの2点が結論される。
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