上皮小体のホルモン貯蔵顆粒を放出または破壊する血清Caの閾値決定の電顕的研究
Project/Area Number |
61570013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
瀬戸口 孝夫 長崎大, 医学部, 教授 (20021347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進 正志 長崎大学, 医学部, 助手 (80145226)
井上 靖久 長崎大学, 医学部, 講師 (80128157)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 上皮小体 / 貯蔵顆粒 / 微細構造 / 高【Ca^(2+)】濃度 / 低【Ca^(2+)】濃度 / ラット / 閾値 / GERL |
Research Abstract |
上皮小体の主細胞には従来から知られている小型分泌顆粒のほかに、パラソルモン含有の大型分泌顆粒すなわち貯蔵顆粒が存在し、後者は血中【Ca^(2+)】濃度の急激な低下時に放出され、上昇時には細胞内での破壊が促進される事が当教室のこれまでの研究で明らかにされている。今回、貯蔵顆粒を放出または破壊を促進する【Ca^(2+)】濃度の閾値を決定する目的で次の実験を行った。 〔方法〕ラットを一群4〜8匹で11群に分け、当教室で考案した灌流系を用いてHEPES-Linger液にとかした【Ca^(2+)】5,7,7.5,8,9,10,11,11.5,12,13,15mg/dlで10分間in situで上皮小体を灌流し、次いで1/2Karnovsky液で10分間灌流し、上皮小体を摘出して2時間同液に固定後、常法に従いエポン包埋超薄切片を作製し、電子顕微鏡写真を撮影した。 〔結果〕8〜11mg/dlで灌流しても、細胞の微細構造および貯蔵顆粒数に変化はみられなかったが、7.5mg/dl以下で灌流すると、細胞は機能亢進に特有の像を呈し、貯蔵顆粒は【I】型(ホルモンを含む芯の大きな顆粒)と【II】型(芯の小さな顆粒)が共に著減した。このことは貯蔵顆粒が放出される【Ca^(2+)】濃度の閾値は8と7.5mg/dlの間に存在する事を意味する。他方、11.5mg/dl以上で灌流すると、細胞は機能低下に特有の像を示し、【I】型顆粒が減少し、【II】型顆粒は増加し、【I】型と【II】型の比が逆転した。【II】型顆粒は【I】型顆粒の加水分解の結果生ずるので、貯蔵顆粒の加水分解による破壊を促進する【Ca^(2+)】濃度の閾値は11.5mgである事を意味する。また本研究で、発生中の貯蔵顆粒はゴルジ装置の最トランス側層板と小管により結合し、他端はトランス側ゴルジ野の滑面小胞体の網目すなわちGERLまたはtrans GOLGI networkと結合し、小型分泌顆粒はこのnetworkよりの出芽により発生するのが観察された。すなわち、貯蔵顆粒と小型分泌顆粒は最初から別個にtrans GOLGI networkより発生することが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)