Project/Area Number |
61570096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齊田 孝市 新大, 歯学部, 助手 (40126412)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 平滑筋 / 筋小胞体 / イノシトール三リン酸 / カルシウム遊離 |
Research Abstract |
Skinned標本は、生理的な条件下で筋小胞体のCa遊離を調べるのに格好の筋モデルである。高濃度のカフェイン(25mM)は、EGTA存在下でskinned標本の筋小胞体に存在しているCaをほぼ完全に遊離させるので、その時のsk-inned標本のカフェインによる収縮反応から間接的に筋小胞体のCa量を推定できる。この方法でイノシトール-1,4,5-三リン酸(【IP_3】)の筋小胞体に対する作用を検討して以下の結果を得られた。Skinned標本を【10^(-6)】MCaを含む実験液に漬けておくと、筋小胞体はMgATPの存在下にCaを取り込み数分で生理的なCaレベルに到達する。この条件下で、筋小胞体へ【IP_3】を適用した場合、【IP_3】の濃度を100μMまで上げても筋小胞体よりCaは全く遊離されなかった。そこでまず【IP_3】が筋小胞体よりCaの遊離を惹起する条件を検索した。実験系にクレアチンとクレアチンキナーゼ(ATP再生系)を加えて、NgATPの濃度を1mM以下に下げると【IP_3】は筋小胞体よりCaを遊離させた。ATP再生系によって、低濃度のMgATPにもかかわらず筋小胞体のCa取り込み率は低下しなかったので、【IP_3】によるCa遊離は筋小胞体のCaポンプの低下に依るものではない。MgATPの濃度が1mM以下の場合、【IP_3】は濃度依存性に筋小胞体よりCaを遊離させた。【IP_3】のCa遊離効果は、Ca-EGTA緩衝液の作用が強い時に【IP_3】の作用は出にくくなる。筋小胞体のCaに依るCa遊離機構を遮断するプロカインは、【IP_3】のCa遊離効果は抑制しなかった。また【IP_3】は筋小胞体のCaによるCa遊離機構に影響を及ぼさなかった。他方、【IP_3】のCa遊離効果の再現性にはGTPが必要なことも判明した。筋小胞体の【IP_3】によるCa遊離が生理的に意味があるか否は今後の課題である。
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