前庭一次求心系に対するエタノールおよび各種麻酔薬の作用に関する研究
Project/Area Number |
61570100
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹 征史 京大, 医学部, 助教授 (20025654)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 前庭一次求心神経 / エタノール / 軸索内記録 / 前庭眼反射 / 麻酔薬 / 視運動眼振 / 水平半規管 |
Research Abstract |
エタノールおよび麻酔薬が前庭一次求心神経に作用して前庭眼反射を抑制するか否かを研究した。1)無麻酔のウサギにおいて、エタノールを5分毎に0.1,0.1,0.2および0.4g/kgを静注した場合、総量0.2〜0.4g/kgの小量により連続水平回転によって起る眼振および外耳道への冷水法入によって起る温度性眼振が抑制された。しかし、エタノールを0.8g/kgまで投与量を増量しても視運動眼振は抑制しなかった。一方、α-クロラロースは水平回転眼振および温度性眼振を抑制せず、視運動眼振を抑制した。ペントバールタールは用量依存性に前庭眼反射および視運動眼振の両者を抑制した。2)チタミンおよびペントバルビタールにて麻酔ネコを用い、脳幹において前庭神経一次求心線維より軸索内記録を行った。正円窓と卯円窓においた刺激電極により、前庭神経を刺激することにより、活動電位を記録し性状から記録電極が求心線維内にあることを確認し、次いでターンテーブルを水平に正弦波様に回転させこれに対する反応から記録線維は水平半規管由来であることを確めた。次に、水平半規管由来の求心線維の自発発火について、コンピューターを用い、平均スパイク間隔およびスパイク間隔の標準偏差を計算し、変量係数(CV)を求め、この値から、当刻線維を、規則型(C<0.15),中間型(0.15≦CV≦0.60),不規型(CV>0.6)に分類した。平均の自発放電数は30.2±22.0/sec(n=97)であり97個の線維中、25(26%)は不規則型31(32%)は中間型、41(42%)は規則型であった。エタノール総量0.2g/kg以上により規則型および不規則型線維の自発放電を抑制し、水平正弦波回転に対する反応も完全に抑制した。一方、α-クロラロース30mg/kg以下の用量では自発放電も回転刺激に対する反応も影響を受けなかった。これらのことからエタノールは選択的に内耳有毛細胞活動を抑制することにより、前庭眼反射を障害すると結論される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)