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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
甲状腺のマイクロゾーム分画には粗面小胞体,ゴルジ-装置などの細胞内小器官及び細胞膜が含まれ、抗甲状腺マイクロゾーム抗体はバセドウ病及び橋本病等の自巳免疫疾患の患者血清に高率に証明される。このマイクロゾーム抗体を含むバセドウ病及び橋本病患者血清からIgGを分離し,ペプシン分解でF【(ab´)_2】とし,甲状腺のどのマイクロゾーム分画と反応するかをバセドウ病甲状腺濾胞細胞で検索した。同細胞は外科切除された25例のバセドウ病甲状腺を酵素分解して浮遊濾胞細胞として使用した。この各症例の濾胞細胞は以下の4群に分け,電顕的免疫組織化学(間接法)による観察を行った。 1)1群はマイクロゾーム抗体との反応を省略し,第2抗体以下のみを反応させた。反応産物は濾胞腔面の細胞膜または微絨毛のみに軽度に見られ,この所見は酵素分解時の組織内IgGとの反応と考えられた。 2)2群は1群の組織内抗体IgGを抗ヒトIgGヤギIgG F(ab´)でマスク後に1群と同じ反応を行った。この結果では殆どの症例で反応物質は消失した。 3)3群は2群の処理後,第1抗体としてマイクロゾーム抗体を含むバセドウ病(18例)及び橋本病(7例)患者血清IgG F(ab´)と反応させた。この群ではいずれの症例でも,び慢性かつ多量の反応物質が濾胞腔面の細胞膜及び微絨毛に認められた。この所見はマイクロゾーム抗体はinvivoでは細胞膜濾胞面と反応している事を示している。また2群の処理で酵素分解時に結合したIgGをマスクした後でも濾胞腔側の細胞膜と微絨毛がマイクロゾーム抗体と強く反応し,基底膜側や細胞内には反応産物は殆ど認められない事より,甲状腺自巳免疫疾患におけるマイクロゾーム抗体は濾胞腔面の抗細胞膜抗体と考えられる。 4)4群は2群の処理後,正常ヒトIgGを第1抗体としたが、第2群と同一結果であった。
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