Project/Area Number |
61570269
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
公衆衛生学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 明 東大, 医学部, 教授 (60009892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 助教授 (50114690)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 火山灰 / 健康影響 / 浮遊粒子状物質(SPM) / 森林作業者 / 呼吸器自覚症状 / 呼吸機能 / ATS-DLD質問票 / 季節差 |
Research Abstract |
火山灰の健康影響を解明するため、火山灰に対する最も高い曝露を受ける集団と考えられる森林作業者について、作業態様に応じた紛塵曝露の実態と呼吸器の自他覚症状を中心とした健康調査を行なった。鹿児島大隅半島の10森林組合に所属する森林作業者192名を火山灰曝露量によって3地区に区分し、地区間で比較した。その結果、作業中に曝露する浮遊粒子状物質(SPM)の地区間の差は極めて顕著であった。しかし、作業者の呼吸機能検査値の平均値はいずれの地区別・性別集団においても正状範囲であり、地区間の差も認められなかった。また呼吸器自覚症状質問票(ATS-DLD)を用いた咳,痰などの有症率や、眼などの症状の有症率も地区間の差を示さなかった。これらの結果は、喫煙・作業中使用する動力機械・農薬などの要因で補正しても変らず、むしろSPMより喫煙状態がV25/Htなどの呼吸機能の低下や、咳・痰の有症率に関係していることが明らかになった。従って火山灰に高度曝露する集団においても、明らかな呼吸器への健康影響は見い出されなかったと結論できる。一方本調査や、これまでの住民調査で用いたATS-DLD質問票の信頼性を調べるため、調査季節の質問応答状況に関する解析を、同-集団に春と夏の2回調査するという方法で行なった。その結果、症状の程度の軽い質問に対しての陽性応答は明らかに春に高く、調査季節が大きく影響していたが、重い症状についての質問、医師による診断、組み合わせによる非特異的呼吸器疾患の診断では、季節差が比較的少なく安定していた。又、咳よりも痰についての質問の方が安定した応答を得ることは他の研究とも一致し、このような条件に注意すれば、ATS-DLDの使用は正当化されうると結論づけられた。この他、大気汚染測定局のSPM等のデータと合わせた解析と牛の肺を用いての火山灰分布の調査の研究も、現在ひきつづき進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)