Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
オゾン急性暴露による, ラットの心拍数, 血圧の減少メカニズムを解明する目的で, 自律神経系の役割を検討した. 10週令雄Wister系ラットを用い, 昨年度と同様の方法で, 心電図電極, 血圧カテーテルを留置し, さらに, 腹腔内にカテーテルを留置した. 室内空気, または1ppmO_3に, 暴露開始後 2時間目に, 腹腔内に, 迷走神経遮断剤として硫酸アトロピン2mg/kg体重, 交感神経β受容体遮断剤として塩酸プロプラノロール8mg/kg体重を投与し, 心拍数, 血圧の経時変化を記録した. しかして各薬剤投与に対する心拍数の反応の組合せより, 交感神経, 副交感神経の緊張度を求めた. アトロピンを投与すると, オゾン暴露により減少した心拍数および血圧は, 急激に上昇し, 投与20分後には, ほとんど暴露前の値に戻った(246±18/分→410±38/分). また, 空気暴露のラットの心拍数はアトロピン投与により, 368±28/分→432±27/分となった. プロプラノロール投与により, オゾン暴露中ラットの心拍数は, 242±28/分から, 209±28/分と減少し, 血圧はほとんど変化しなかった. 空気暴露ラットの心拍数は, 374±47/分から309±24/分と大きく減少し, 血圧は上昇した. 以上から計算すると, オゾン暴露によるラットの交感神経緊張度は50.6%に低下し, 副交感神経緊張度は, 249%と大きく上昇し, オゾン急性暴露による心拍数の減少の主な原因は, 副交感神経の刺激によるが, 交感神経の抑制も加味されていると考えられる.
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