Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 浩一郎 東京大学, 医学部・(病), 助手
藤沢 道夫 東京大学, 医学部(病), 非常勤医員
杉山 幸比古 東京大学, 医学部(病), 助手 (70183415)
岡部 哲郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80169135)
渡辺 純一 東大, 医学部・第3内科, 非常勤医員
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
原因不明の類上皮細胞肉芽腫性疾患であるサルコイドーツス発症機転の検討の為に, 本症の肺病変と関連の深い肺胞マクロファージ(AM)の分化の分析を, アンジオテンツン変換酵素(ACE)を生化学的指標として行った. 従来, AMのACE活性の測定は破砕した細胞について行われたが, 我々はアンジオテンツンI(AI)を基質として, 産生するアンジオテンツンII(AII)量を特異的なRIA法で測定する微量測定法を用い, 同細胞が培養皿に付着した生細胞の状態でそのACE活性を測定することができた. 本法により測定したヒトAMのACE活性は218±106pg AII/20min/10^5cells(n=22)であったが, これを喫煙者と非喫煙者とに分けると, 前者では246±119pg AII/20min/10^5cells(n=14)で, 一方後者では, 160±50pgAII/20min/10^5cells (n=8)と喫煙者のAMは非喫煙者のそれより高いACE活性を有しており, 喫煙がAMの分化を促進することが示唆された. また, 本法はACE活性を生細胞について測定することなどから, AI→AIIの変換が, 血管内皮細胞の場合と同様に, AMでも細胞膜表面で行われることを示唆している. なお, 今回はサルコイドーツス症例のAMについては十分な検討を行い得ず, 今後の課題として残った. 一方ビタミンD_3による刺戟では, AMは互いに融合し一部巨細胞化する傾向が示されたが, 定量化できる成績には至らなかった. つぎに, 免疫組織学的方法として, ヒト肺からACEを精製し, これに対するモノクローン抗体を用いた検討を目指したが, 同酵素の精製過程で種々の問題点が明らかになった. 本酵素の精製は従来肺ホモジネートから得られる膜分画を界面活性剤で可溶化して行ってきたが, 回収率改善の為に界面活性剤で得られる膜分画可溶化部分をさらにトリプシンで処理し, より高い回収率を得ることができた. 現在, 本法で得られるACEの生化学的性質を検討中であるが, 効率的に得られる本酵素を用いて純度の高い抗体を作製し, これによりAMの分化の検討をさらに進めたい.
|