Project/Area Number |
61570315
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
溝口 義明 自治医大, 医学部, 講師 (90124685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 三知代 自治医科大学, アレルギー膠原病科, 研究員
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 免疫病理学 / ループス腎炎 / 免疫複合体 / ペプシン処理 / RNP抗原 / 補体第1亜成分C1q / 血管壁 |
Research Abstract |
1.ループス腎組織に沈着した免疫複合体の組成、特に抗原成分の解析:凍結未固定のループス腎組織切片をペプシン処理し、その前後における沈着複合体中の免疫グロブリン・補体成分の消失を蛍光抗体法で検索した。その結果、ペプシン処理により顕著な免疫グロブリン・補体成分の消失が認められ、ペプシン処理法は他の処理法よりよりすぐれていることがわかった。つづいてペプシン処理後の沈着複合体について、蛍光ラベル抗体あるいはモノクローナルDNA抗体との反応性を検討した。その結果、一部の蛍光ラベル患者抗体はペプシン処理後の沈着複合体と結合を示した。一方モノクローナルDNA抗体は結合陰性であった。結合陽性であった患者抗体の結合特異性を吸収試験などで解析したところ、RNP抗体との強い関連が認められ、ループス腎組織に沈着した免疫複合体の抗原成分として、従来主張されてきたDNA抗原より、RNP抗原の方がより重要ではないかとの新知見が得られた。 2.SLE病態発生の組織側特異性因子の解析:ヒトやラットの組織について免疫組織学的に補体第1亜成分C1qとの結合性を検討した。その結果、C1qは、抗体を必要とせずに、変性した細胞核・血管壁・尿細管刷子縁・平滑筋・軟骨細胞・中枢神経グリア・毛根などと結合することが判明した。さらにラットを用い、invivoでこの現象がみられるかどうか検討したところ、アセトンの腹腔内注射で傷害変性を加えた腸管では血管壁に直接的なC1qの結合がみられ、上記現象がinvivoでもおこりうることを確認した。なおinvivoでの実験に際して、そのほかに脾や腸管のリンパ小節にもC1qの沈着が認められた。この事実は、C1qが変性した血管壁に結合した後、血管壁の成分をリンパ小節へ運搬し抗体産生へ導く可能性を示唆した。以上の新知見はSLEにおける血管炎の発生や抗核抗体産生などについて一つの示唆を与えると思われた。
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