心筋梗塞症に対する冠再潅流治療の定量的評価-生化学的指標物質による検討
Project/Area Number |
61570408
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 光章 東大, 医学部, 助手 (80176263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世古 義規 東京大学, 医学部・第三内科, 医員
吉栖 正生 東京大学, 医学部・第三内科, 医員
矢崎 義雄 東京大学, 医学部・第三内科, 講師 (20101090)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 心筋ミオシン軽鎖 / 心筋梗塞 / 冠再灌流 / 断層エコー / モノクローナル抗体 / 左心機能 |
Research Abstract |
急性心筋梗塞後の左心機能と生化学的指標物質流出量の関係を動物実験、臨床例により検討して以下の成果を得た。1.犬を用いて閉胸下に心筋梗塞を作成、以後2週間断層エコーにより得た左室壁運動異常、血中に流出する心筋ミオシン軽鎖量、解剖して得られる梗塞巣の広がりを、冠再灌流の有無との関連において比較検討した。6頭は15日間閉塞を続け(C)、6頭は3時間後に再灌流を行った(R)。1日1回断層エコーと軽鎖を測定し、15日目に剖検した。(1)梗塞中心部における収縮期壁厚増加率は Roh38±5 3h-21±7 6h-15±10 24h11±7 48h21±9 7d23±8 14d22±9 C 42±7 -18±5 -23±9 -15±8 -1±6 5±7 10±8 壁厚増加率が5%以下であった収縮期菲薄化領域の広がりも同様の経過で改善した。冠再灌流を行っても左室壁運動異常は遷延し、その回復には約2日を要することが明らかになった。(2)閉塞3時間後の壁厚増加率、菲薄化領域はCで15日後の梗塞量と良好に相関したが、Rでは相関しなかった。即ち再灌流による虚血心筋のsalvage効果のため、再灌流後早期の壁運動異常から梗塞量を推定することは困難であることがわかった。(3)ミオシン軽鎖の流出量はR,Cとも梗塞重量とよく相関し、再灌流の有無に関わらず梗塞量を定量的に推定しうる生化学的指標であることが示された。今後は薬剤(dobutamine,nifedipine)が再灌流後の左室壁運動に及ぼす影響を検討する。2.モノクローナル抗体を用いて血中に流出するミオシン軽鎖値を定量化しうる測定系の開発に成功した。心筋梗塞症例で測定した結果は従来ポリクローナル抗体を用いて測定したものと同等であり、本測定法で得られる軽鎖値は心筋梗塞後の左心機能の低下を定量的に反映することが示された。今後は左室壁運動の回復過程と軽鎖流出の時間経過の関係について検討していく予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)