内因性ジギタリス様物質の化学構造の同定および本態性高血圧症におけるその役割の研究
Project/Area Number |
61570409
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 淳郎 東大, 医学部, 助手 (00150277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 薫 , 医学部付属病院第二内科, 医員
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 内因性ジギタリス様物質 / 本態性高血圧症 / 【Na^+】・【K^+】・ATPase抑制因子 / 視床下部 |
Research Abstract |
食塩と本態性高血圧症との関係を解く鍵となる物質として注目されている内因性ジギタリス様物質の精製を行った。出発材料として約20トンのヒト尿を用い、吸着クロマト,陽イオン交換,陰イオン交換,ゲル濾過の順に粗分画した。抗ジゴキシン抗体との交又活性では多くのステロイドをとらえる可能性があること、シグマ社犬腎【Na^+】・【K^+】・ATPase標品を用いる抑制作用では必ずしも生体内での作用を反映しない可能性があることなどから、本物質の検定法としてはヒト赤血球への【^3H】ウァバィン結合阻止活性を採用した。本物質は、SephadexG25において塩ピークとほぼ一致して高濃度に存在し、次にODSによる逆相高速液体クロマトにより分離した。この結果、本物質はヒト尿中では極性の異なる4つの活性から成ることが判明した。しかし、これらは蒸発・凍結乾燥に際して極性のより高い活性に移行する事実から、相互に関連した物質であると考えられる。4つの活性のうち最も取り扱いやすい、【CH_3】CN16%で溶出される活性について最初にアプローチした。本活性は熱に強く、酸・アルカリに対しても安定であった。陽・陰イオン交換とも素通りし中性物質で電荷は有しないと考えられた。タンパク分解酵素で失活せず、TFAの有無でODS上の挙動が変化しないことからペプチドではない。分子量は1000以下で、ヒト尿中の他,ラット・ヒト・イヌ血漿・ラット視床下部でも逆相高速液体クロマトの同一位置に溶出される活性を認めた。正常イヌ血漿中では【CH_3】CN16%で溶出される活性に比し、0DS素通りの極性の高い活性が圧倒的に優位にあり、急性生食負荷により両活性とも有意に増加した。以上の成績より、動物体内には、従来報告されている脂肪酸・リン脂質,アスコルビン酸などとは異なり、極めて水溶性のジギタリス様物質が存在することは間違いないと結論される。現在、FAB質量分析,NMR,紫外吸収バターンなどの検討により構造を解析中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)