食道内超音波断層・ドプラー法による左房内血栓形成と左房内血流動態との関係について
Project/Area Number |
61570417
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松崎 益徳 山口大, 医学部, 講師 (60116754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 敏明 山口大学, 医学部附属病院, 医員
塔間 陽一 山口大学, 医学部附属病院, 文部教官助手 (70188712)
阿武 義人 山口大学, 医学部, 文部教官助手 (00159542)
楠川 禮造 山口大学, 医学部, 文部教官教授 (10112228)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 食道内超音波断層心エコー・ドプラー法 / 左心耳内血流 / 左心耳内血栓 / 心房細動 |
Research Abstract |
当教室で昭和51年度より行なわれているM mode食道内心エコー法に加え本年度の科学研究費によりB mode食道内心エコー法および食道内心ドプラ法を行なうことができるようになった。すなわち、超音波断層装置(アロカSSD-860)に装着可能な食道内探触子をアロカ(株)に特注し、昭和61年8月に試作品の開発に成功し、臨床応用を行なうことができるようになった。 本研究の主課題である心房細動例における左房内および左心耳内血流速度と血栓形成との関係につき、臨床的に解析を行なった。対象は洞調律の健常者12名、合併症を有しない心房細動例12名、過去に脳血栓症を有す心房細動例11名、僧帽弁狭窄症に心房細動を合併する15名の計50例である。今回開発した本方法により初めて左心耳内から左心房内への血流様式の詳細な分析が可能となった。健常者では心電図上のP波より約80msec遅れ、左心耳内より約35cm/secの速さの駆出血流が観察され、その速さは心房細動例のいずれのグループより有意に高値であった。一方、心房細動例の中でも、過去に脳血栓症の既往を有すグループの左心耳→左房内血流速度は、合併症を有しないグループのそれに比し有意に低下しており、その群では、左心耳内に血流のうっ滞があることなどが判明した。また脳血栓症のグループ11名中2名に、左心耳内に血栓が記録された。僧帽弁狭窄症例ではさらに左心耳から左房内への血流速度は低下し、15名中4名に拡大した左心耳内に血栓エコーが観察された。本グループの内、抗凝固療法を続けている4例では、有意な血流を左心耳内にみないものの、血栓の形成はみられなかった。これらの結果の一部は、第10回世界心臓病学会、第48.49回日本超音波医学会、第36回米国心臓病学会(ACC)などの国内外の学会にて発表し、現在、2.3の論文を投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)