発作性夜間血色素尿症患者血球の補体脆弱性に関する研究
Project/Area Number |
61570570
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿部 帥 筑大, 臨床医学系, 助教授 (80014215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 禎三 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20134223)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / decay accelerating factor(DAF) / 補体 / 溶血 |
Research Abstract |
ヒト赤血球膜からDAFを精製し、これを用いてモノクロナル抗DAF抗体を作成した。ELISAによるDAFの定量法を開発した。その概要は:1)96穴のマイクロプレートに抗DAF抗体を10μg/ml,100μl/well入れてコーテイング。2)1%BSA,PBSにてブロック。3)10mΜEDTA,0.5%Tween,PBSにて洗淨後、X6,X10,X15に稀釈したサンプルを加えて37℃,2時間反応。4)ビオチン化抗DAF抗体500ng/mlを100μl加え、37℃,1時間反応後、洗淨。5)アビジン・ビオチン複合体を0.05%Tween,PBSにて調整し、100μlを加えてさらに1時間37℃反応後洗淨。6)基質ABTSを加え、37℃60分発色させ波長414nmで測定した。標準曲線の作成は既知濃度の精製DAF(180μg/ml)を希釈して用いた。標準曲線は直線関係を示した。各血球抽出物は、1%NP-40,PBS(蛋白分解酵素阻害剤を含む)に溶解後、15,000γpmの遠心にて不純物を除きDAF測定に供した。DAFの分子量を70000として各血球のDAF量を算定,molecules/cellで表わした。 各血球DAF量の正常値は、赤血球3110±960molecules/cell(n=30),好中球28000±13900(n=15),血小板3100±1370(n=15)であった。これに対し、PNHの赤血球は1406±784(n=16)と有意の低値を示した(P<0.001)の好中球は14800±19800(n=4)で4例中1例は正常値を示し、血小板は1240±550(n=4)で全例低値を示した。PNH4例について、赤血球DAF量と赤血球寿命,LDH,間接ビリルピン値を対比すると、DAF量の低下と各種検査の異常との間に相関が認められた。また赤血球DAF量はPNH-【III】赤血球比率との間に相関が認められた。またHam試験で70%の溶血率を示した症例の赤血球をあらかじめ精製DAFと孵置しておくとHam試験の溶血率は10%に減弱が認められた。 以上要約するとPNH患者血球にはDAF欠損血球が存在し、とくに赤血球では補体脆弱性と密接な関連性を示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
[Publications] 二宮治彦,中沢正樹,阿部師,七島勉,寺沢崇,足立山夫,天野正道,川田健一,厨信一郎,三輪史朗,小野沢康輔,斉藤憲治,藤田禎三: 日本血液学会雑誌. 50. (1987)
-