血小板機能異常症における血小板の刺激応答異常に関する研究
Project/Area Number |
61570577
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大熊 稔 京大, 医学部, 助教授 (50026986)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 血小板機能異常症 / 血小板の刺激応答 / トロンボキサン【A_2】受容体 / コラーゲン凝集 / コラーゲン受容体 |
Research Abstract |
1.トロンボキサン【A_2】(Tx【A_2】)に対し反応障害を呈する血小板の刺激応答異常 各種の刺激による凝集能や放出反応、アラキドン酸代謝およびアデニンヌクレオチド含量などの検索からTx【A_2】に対する反応障害が明らかとなった真性多血症患者の血小板につき、TX【A_2】を介する刺激応答を検討した。TX【A_2】のantagonist ligand(【^(125)I】-PTA-OH)およびagonist ligand(【^3H】-U46619)を用いて行なった結合実験から、TX【A_2】とその受容体の結合過程は正常と考えられた。しかし患者血小板ではST【A_2】(TX【A_2】様作用を有する安定な類縁体)に対する細胞内【Ca^(2+)】濃度上昇,フォスファチジルイノシトール回転,40KD蛋白燐酸化のすべてに著明な反応性の低下を認めるとともに、トロンビンに対するこれらの反応やTPAによる40KD蛋白燐酸化は正常であった。したがって本症例の血小板受容体には正常なTX【A_2】との結合以後における刺激の伝達障害が示唆され、この新知見はTX【A_2】を介する正常人血小板の活性化機構解明に資するところが大と思わわれる。2.コラーゲン凝集を特異的に欠如した免疫血小板減少症における抗血小板抗体の対応抗原に関する研究 コラーゲンに特異的不応性の血小板を有する寛解時ITP患者血清のIgGが正常人血小板の凝集を惹起し、そのFabが正常人血小板のコラーゲン凝集を特異的に阻害したことから、この抗体の対応抗原はコラーゲン受容体である事が示唆された。そこで【^(125)I】標識血小板をSDS-PAGEで展開しその糖蛋白を検討したところ正常人と患者間に差を認めなかった。Kesslerの方法に従い、正常人可溶化【^(125)I】標識血小板と患者IgGの反応による免疫沈降物を検討したところ5本のバンドが得られたが、そのうち62KD(還元)のものが最強でこれが主要な対応抗原と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)