腫瘍性B細胞の分化増殖へのインターロイキン2の影響に関する研究
Project/Area Number |
61570578
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米沢 毅 阪大, 医学部, 講師 (50028560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 修一 大阪大学, 医学部, 助手 (80167337)
金山 良男 大阪大学, 医学部, 助手 (30158852)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | B細胞系腫瘍 / IL2 / IL2receptor / Staphy Lococcus aureus CowanI / B-CLL / hairy cell leukemia |
Research Abstract |
Staphylococcus aureus CowanI(STA)により腫瘍性B細胞表面に発現されるIL2receptorの機能を検索する目的で、STAに高度の芽球化反応を示したB-CLL2例とhairy cell leukemia(HCL)2例のIg産生細胞への分化誘導の可否、及びrecombinant IL2の添加の影響についてプラーク法を用いて検討した。B-CLL2例の末梢単核球はSTA添加培養にてモノクローナルなIg産生細胞が出現し、IL2添加培養にてさらに増加をみた。高度精製B細胞分画での検討では、IL2は低濃度ではT細胞依存的に、高濃度ではT細胞非依存的に分化を促進した。電顕形態学的には粗面小胞体の発達した形質細胞様細胞の出現をみた。HCL2例は、いずれの条件下でもIg産生細胞へ分化しなかった。STA添加培養前後のIL2receptorを直接螢光抗体法、FACSを用いて検討したが、B-CLLの2例はSTAと3日間培養後、陽性率、螢光強度ともに著増した。HCLは2例ともに芽球化後も培養前と同じく陰性であった(第48回日本血液学会総会で発表)。また、STAとのpreculture後IL2添加でB-CLLは3Hチミジン取り込みでの増殖反応がみられたが、HCLはほとんど増殖しなかった。これらより、B-CLL細胞はmitogen刺激で機能を有するIL2 receptorを発現し、分化能との深い関りが示唆された。中性α-グルコシダーゼの活性を経時的に観察したが、B-CLLでは分化に伴い著増したが、HCLは分化がみられないのに拘らず芽球化に伴う活性の上昇がみられ、今までのB細胞系腫瘍症例での知見と不一致をみた。また、B-CLL25例のリンパ球のIL2receptorにつき検討し、7例陽性であった。IL2添加培養によっても陽性例は陰性例と同様有意な増殖反応を示さなかった。また、IL2添加培養でIL2receptorのup-regulationは受けなかった。以上より、分離直後にみられるIL2receptorはmitogen刺激後に出現するものとは異り、機能を有せず、腫瘍化に伴う異常発現と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)