ヒト悪性リンパ腫の成因と増殖及びその制御に関する研究
Project/Area Number |
61570583
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
久保西 一郎 高知医大, 医学部, 講師 (10153339)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 癌遺伝子 / ets / プラスミノーゲンアクチベーター / 転移 |
Research Abstract |
1.悪性リンパ腫細胞株RC-K8を培養樹立した。この細胞株は表面及び細胞質免疫グロブリンは陰性であったが、B1抗原,Ia様抗原が陽性で、免疫グロブリン遺伝子のrearrangementを有していることから、未熟なB細胞由来の細胞株であることが明らかとなった。染色体分析の結果、RC-K8は極めて特異な染色体異常t(11;14)(q23;q32)を有していることが判明した。ヒト染色体11q23には、癌遺伝子Hu-ets-1が存在することが明らかにされているが、この11q23が免疫グロブリン遺伝子の存在する14q32に転座しているRC-K8において、Hu-ets-1が活性化されている可能性が考えられた。Hu-ets-1とヒト悪性リンパ腫の関連は現在の所不明であることからSouthern法を用いてその活性化の有無を検討した。この方法ではets-1のrearrangementは見い出せなかった。現在別の方法を用いてその活性化の有無を検討中である。 2.RC-K8の培養上清中の線溶活性について、フィブリン平板法を用いて検討した所、ウロキナーゼタイプのプラスミノーゲンアクチベーターを産生していることが判明した。その産生能力は、組織タイプのプラスミノーゲンアクチベーターを産生することで知られるヒト悪性黒色腫細胞株G-361と同程度で、このRC-K8より大量のプラスミノーゲンアクチベーター産生が可能となった。RC-K8の新生児ハムスター移植実験により、著明な腫瘍転移病巣が、形成されたことから、癌細胞のプラスミノーゲンアクチベーター産生能と、転移形成の関連が示唆された。 3.HTLV-1陰性、IL-2非依存性の悪性リンパ腫細胞株DL-40を培養樹立した。白血病細胞を単球様細胞へと分化させる因子を産生していることが明らかになったので、その性状を検討中。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)