Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
61年度の実験により作成した生命維持装置の小型化, 及び, 体重2-5kgの雑種幼犬での腎肺不全モデル犬による潅流実験を行った. 1.生命維持装置の小型化. 61年度では人工腎として血液透析用ダイアライザーの利用を予定していたが, 装置の簡略化を図るため濾過型人工腎とし膜面積0.02m^2の血液濾過膜を組み込んだ. 膜型人工肺と人工腎の関係については, 直列, 並列の2系統の回路を作製した. この2種類の回路とも充填量は250mlと小型化することができた. 2.潅流実験. 体重2-5kgの雑種幼犬を用いた. 前処理として潅流実験の2日前に開腹し両側腎を摘出することにより腎不全犬を作成した. さらに全麻下に換気不全状態とし, 静脈-動脈バイパス(右房脱血, 内頚動脈送血)による潅流を行った. 両側腎の摘出により血中尿素窒素は平均20.4から99.7mg/dlへ, クレアチニンは1.0から4.4mg/dl, 血清カリウムは4.0から4.9mEq/lと上昇し, 我々の開発した装置を用いた24時間の潅流により尿素窒素は46.0mg/dl, クレアチニンは3.1mg/dl, 血清カリウムは3.6mEq/lと有意に減少した. また, 血液ガスも改善を認めた. 対象群ではほとんどの例がアシドーシスの進行, 低酸素血症により早期に死亡した. 以上の結果より腎肺不全モデルに関しては我々の作製した装置により管理可能であることが判明した. 肝不全を合併したモデルについては, 体重10〜20kgの雑種成犬を用い作成実験を行っているが, 成犬においても侵襲が過大で, 十分な結果を得ることが困難である. 今後, 肝不全に対する本装置の効果について検討を加える予定である.
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