連続波ドップラ・ドップラ断層併用法による心臓カテーテル省略の心臓手術に関する研究
Project/Area Number |
61570678
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
尾本 良三 埼玉医大, 医学部, 教授 (80112647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許 俊鋭 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30153232)
高本 真一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60137833)
横手 祐二 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10118656)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ドップラ断層 / 連続波ドップラ / 心臓手術 / 心臓カテーテル省略 |
Research Abstract |
連続波ドップラ・ドップラ断層併用法を臨床に実施した過去3年間の後天性弁膜症252例と先天性心疾患181例について、ドップラによるデータと心臓カテーテル及び手術によるデータとの相関を分析した。弁逆流に関しては、Sellers分類の重症度(僧帽弁と大動脈弁)、及び手術所見(三尖弁)と良い相関を示した。特に大動脈弁逆に関しては、術中にドップラ重症度と電磁流量計による逆流率を同時測定した両者の相関を検討したが、きわめて高い相関を示した。弁狭窄に関しては、連続波ドップラによる圧差(Bernoulliの式による)は心臓カテーテルによる瞬時圧差を良い相関を示した。大動脈弁狭窄症において心臓カテーテルのPeak-to-peak値と比較すると、連続波ドップによる最高圧差は常に過大に評価された。しかし弁狭窄の重症度についての3段階の半定量的評価は正確に行なわれた。肺動脈圧の近似的評値は、三尖弁逆流の最高速度を応用して行なわれたが、このデータは心臓カテーテルによるデータと良い一致を示した。先天性心疾181例においてドップラ所見と心臓カテーテル所見との不一致例は6例(3.3%)であった。上記の後天性弁膜症252例中36例(14.3%)と先天性心疾患181例中44例(24.3%)は、重心不全、造影剤アレルギー、左房血栓などのために心臓カテーテルを省略して手術が施行された。手術所見による確定診断と後天性弁膜症は100%、先天性心疾患は97.7%(44例中43例)がドップラ所見とが一致した。後天性弁膜症と先天性心疾患の80例において、ドップラ断層所見のみに基づき手術を施行し、術中・術後に病名の訂正を要した症例はなく、先天性心疾患の1例のみで術式決定上ドップラ断層診断は不十分であったが、病態の重症度からみてほぼ満足すべき結果であった。後天性弁膜症では、もし冠動脈病変が否定されるならば、手術は、たとえ心臓カテーテルを省略してもきわめて安全に遂行しうることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)