多核種in vivo NMRによる脳神経疾患の病態解析
Project/Area Number |
61570704
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
成瀬 昭二 京府医大, 医学部, 助手 (50106407)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 多核種NMR / MRI / MRS / 脳虚血 / 脳浮腫 / 脳腫瘍 / ATP / PCr / Pi / Phosphomonoesters(PME) |
Research Abstract |
NMRを単に画像診断の手法としてだけでなく、分析法として利用すべく、多核種in vivo NMRを用いて各種神経疾患の病態解析を行なった。 [方法]次の動物実験モデルを用いた。(1)脳虚血:ラット4主幹動脈結紮による大脳虚血モデル,(2)脳浮腫:ラットの凍結損傷,TET中毒モデル,(3)脳腫瘍:rat glioma(EA285)をCDF ratに移殖したもの。多核種in vivo NMRはJEOL SCM200(4.7T)を用い、(1)【^1H】-MRI,(2)【^(31)P】-NMR spectrum(MRS)(3)【^1H】-MRSを測定した。また治療後のこれらデータの変化をも観察した。 [結果](1)脳虚血:虚血後【^(31)P】-MRSにてATP,PCrの急速な減少と、Piの増加及び、組織pHの低下が認められた。【^1H】-MRIでは著しい変化は認められなかった。虚血30分間後の再開通にてATP,PCr,Piは元のパターンに戻った。虚血1時間以上では、戻らなかった。PFC(perfluorochemicals)の投与にて、この可逆性変化を生ぜしめる時間を延長させることができた。(2)脳浮腫:凍結損傷,TET中毒モデルとも【^1H】-MRIで緩和時間(【T_1】,【T_2】)の延長を示す病巣が認められた。しかし【^(31)P】-MRSでは著しい変化は認められなかった。脳虚血及び脳浮腫のこれらの所見から【^1H】-MRIと【^(31)P】-MRSとは必ずしも同じ変化を示さないと言える。(3)脳腫瘍:脳組織と異なり、PCrは少く、Nucleotriphosphate(NTP),phosphomonoesters(PME)のピークが高く、代謝課程のちがいが示唆された。また、各種治療後(化学療法,photoradiation therapy,温熱療法など)に、NTP,PMEのピークが低下しPiピークが増加した。これら変化は組織学的変化よりも早く生じた。【^1H】-MRIでは【T_1】,【T_2】の延長を示す所見が認められた。【^(31)P】-MRSは、腫瘍に対する治療効果判定の有用な手段になり得る可能性がある。 [結論]多核種in vivo NMRにて、病態解析上従来にない有用な情報が得られた。今後、臨床方面への適用をも可能であり、幅広い研究手段となると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)