Project/Area Number |
61570952
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外科・放射線系歯学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 俊之 阪大, 歯学部, 助手 (80142313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 正義 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028755)
大前 政利 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
小川 輝明 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 腫瘍随伴症候群 / 高カルシウム血症 / 白血球増多症 / ヌードマウス / 骨吸収促進因子 / コロニー刺激因子 / トランスフォーミング成長因子 |
Research Abstract |
研究の発端として、著明な高カルシウム血症を呈した舌癌患者と、高カルシウム血症と白血球増多症とを同時に呈した舌癌患者を経験、治療する機会を得た。その結果、高カルシウム血症の治療にはカルシトニン、あるいはミスラマイシンが極めて効果的であることが判明した。また。いづれの患者においても外科的に腫瘍を切除した場合、あるいは抗癌剤等により腫瘍の縮少を図った場合に、症状の著明な緩和を認めた。この臨床的観察から、腫瘍自身が、高カルシウム血症、あるいは自血球増多症の発症過程に密接に関与していると想像された、この点をより明確にするために患者の腫瘍組織をヌードマウスに移植する実験を試みた。移植実験は成功し、患者腫瘍はヌードマウス内で生着増大した。しかも、その増大に平行して高カルシウム血症あるいは白血球増多症が誘発され、外科的に腫瘍を切除することにより、症状は軽快した。この結果より、これらの症状の発症過程において、腫瘍が重要な役割を果たしていることが示唆された。そこで次に、腫瘍が果たす役割について検討する目的で、ヌードマウスに形成された腫瘍から腫瘍細胞の分離培養を試みた。この実験にも成功し、培養腫瘍細胞を樹立することができた。この細胞はmvtrにおいて旺盛な増殖能を有しており、また形態的にも疫理組織傷で見られる腫瘍細胞と同様の扁平上良細胞核であった。この細胞の培養上清を生化学的手法を用いて部分精製し、各種の生物学的活性を検索したところ、骨からのカルシウム流出を促進する強力な骨吸収因子、マウス骨髄細胞のコロニー形成を高めるコロニー刺激因子、正常細胞の取寒天中でのコロニー形成を強めるトランスフォーミング成長因子等の物質に含まれていることが明らかとなった。腫瘍から産出される、これらの物質が高カルシウム血症、あるいは白血球増多症の発症機序に深く関わっていると推察される。現在より高度の精製を進めている。
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