細胞形態変化を指標とした細胞増殖因子のシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
61571073
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
伊藤 文昭 摂南大, 薬学部, 教授 (80111764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝本 さゆみ 摂南大学, 薬学部, 研究員 (80178920)
奥 直人 摂南大学, 薬学部, 講師 (10167322)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 細胞増殖因子 / 上皮増殖因子 / 細胞形態 / A-431細胞 / リチウムイオンとリン酸化反応 |
Research Abstract |
Epidermal growth factor(EGF)は特異的な受容体結合後早い時期に、受容体のチロシン特異的リン酸化活性や、イノシトールリン脂質の代謝回転を促進するなど多様な活性を誘発し、その後DNA合成、細胞分裂を誘発することが知られている。しかしながら、EGFのシグナルがどのように伝達され増殖促進を惹起するか全く不明である。我々はのシグナル伝達機構解明のために、早期反応後に観察されるEGFによるヒト上皮性腫瘍細胞株A-431の形態変化に注目した。A-431細胞をDMEM,あるいはDulbecco'sPBS中でEGF(100ng/ml)により処理すると、コロニー周囲に薄く伸展したシート状突起と、尖った指状突起が形成され、この形態変化はEGF添加後1〜2時間で最も顕著になった。EGF依存性のA-431細胞の形態変化は、NaCl溶液(150mM NaCl+1mM Ca【Cl_2】+0〜5mM Mg【Cl_2】+0.1%グルコース)では観察されないが、NaClの代わりにLiClを用いると、尖った指状突起がLiCl濃度に依存して観察された。また、NaCl溶液中にバナジン酸イオンを添加しても、EGFにより尖った指状突起が形成された。さらにNaCl、あるいはLiCl溶液にリン酸イオンを加えるとEGFによりシート状突起が形成され、培地のイオン組成により、形態変化を指標としたA-431細胞のEGFに対する応答性の変化することがわかった。リチウムイオン、リン酸イオン、バナジン酸イオンはいずれもリン酸化、あるいは脱リン酸化反応に影響を与えることが知られているので、EGFによる形態変化に細胞内リン酸化反応の関与が示唆され、現在この問題について検討している。他の増殖を促進する因子のインシュリン、FGF(fibroblast growth factor),TPA,A23187を単独あるいは組み合わせて添加した場合は、いずれも形態変化を起こさなかった。EGF以外の増殖因子が細胞形態の変化を起こさないことは、A-431細胞のEGF受容体数が異常に多いことと関係あるかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
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