薬物の肝・肺消失挙動におよぼす加齢の影響に関する臨床薬物速度論的意義
Project/Area Number |
61571099
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡辺 淳 名古屋市大, 薬学部, 教授 (80080175)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レボドパ / 消化管初回通過効果 / 説炭酸酵素活性 / ラット空腸 / プロプラノロール |
Research Abstract |
1.研究目的と実験方法(1)レボドパの消化管・肝初回通過効果におよぼす加齢の影響を検討するために、5〜104週齢の雄性Wistarラットにレボドパを静脈内または経口投与し、血漿中濃度の時間推移および尿中・糞中排泄を測定した。(2)レボドパの小腸初回通過代謝に関連して、空腸上部におけるレボドパ脱炭酸酵素活性におよぼす加齢の影響を評価する目的で、5〜104週齢の雄性Wistarラットの空腸上部の腸間膜静脈にカニュレを挿入した後、空腸内にレボドパ溶液を注入し、採取した血漿中の未変化体および總放射活性を測定した。(3)プロプラノロールの全身クリアランスが肝クリアランスより高い値をとることを解明するために、7週齢の雄性Wistarラットを用いて、動脈内・静脈内投与実験を行ない、血漿中プロプラノロールを測定し、肺における初回通過消失を検討した。 2.結果と考察(1)レボドパにおいては肝より腸管における初回通過効果の方が大であり、それは11週齢のラットにおいて最大となり、若い(5〜7週齢)ラットまたは加齢のすすんだ(52〜104週齢)ラットではそれより低い値をとっていた。それに対し、肝における初回通過効果には明確な加齢の影響は認められなかった。(2)レボドパは空腸上部から吸収される際、11週齢のラットにおいて最も強く脱炭酸代謝を受け、9または15週齢のラットではそれにつぎ、52〜104週齢および5〜7週齢のラットにおいては代謝される割合がかなり低いことが明らかとなった。これは経口投与後の腸初回通過効果への加齢の影響の特性とよく対応するものであった。(3)プロプラノロール動脈内投与後のラットにおける血漿中濃度曲線下面積は静脈内投与後のそれの約2倍の値を示していた。したがって、動・静脈内投与による全身クリアランスの相違には、肺における初回通過消失がかなり寄与しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)