Project/Area Number |
61580075
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
家政学
|
Research Institution | Shokei Women's Junior College |
Principal Investigator |
和泉 眞喜子 尚絅女学院短, その他, 講師 (00151423)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1986: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | あく / えぐ味 / 苦味 / わらび / 無機成分 |
Research Abstract |
苦味やえぐ味として感じられる山野草のあく成分が油で揚げることによりどのように変動するのかを官能検査法及び無機成分の定量により検索した。 その結果 1、わらびをあく抜きしたり揚げたりすることによる味の変化を官能検査法により調べたところ、あく抜きをしなくても天ぷらあるいは素揚げにすると茹で調理より有意に苦味を感じない。又それは揚げ温度が茹で温度より高いためではなく、茹で温度と同じ100℃で揚げても揚げ物の方が有意に苦味を感じなかった。しかし有意な差ではないが100℃より180℃で揚げた方が、又素揚げよりも天ぷらの方が苦味を感じない傾向にあった。 2、モデル実験として小麦粉に水を加えたバッターに硫酸キニーネを添加し揚げ温度を変えて官能実験をしたところ、わらびの場合と同様、180℃揚げはもちろん、100℃で揚げても茹でより有意に苦味を感じなかった。 3、揚げることによる味の変動の原因の1つと考えられる無機成分の変化を調べたところ、わらびのMg、Ca量は茹でることによりやや減少したが、揚げることによる変化はみられなかった。Kは茹でも揚げも約30%減少し、Naは茹でによる減少は数%であったが、揚げによる減少は70〜80%であった。 4、口の中で物をかむことを想定し、調理後ホモジナイズし不溶及び可溶区分に分画しそれぞれの含量を比較した結果、Caは他の成分に比べて可溶区分の割合は少なく、それは調理後も変動しなかった。K,Mgは茹で後の方が、さらにそれよりも揚げ後の方が可溶区分の割合は増加した。Naは揚げることにより含量は減少したが、可溶区分の割合は非常に増加した。 Naがあくに関与しているという報告はみないが、今回の結果では問題のある成分と考えられる。しかしそれが植物組織の中で単独に存在して関わるのではなく、化合物としての存在の方が重要と思われる。そこで今後はその結合物の追求も試みるつもりである。
|