放射能イオンクロマトグラフィーによる核分裂生成物の無担体分離に関する研究
Project/Area Number |
61580195
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉井 忠治 京大, 原子炉実験, 助教授 (10027427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 愛子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70027449)
西川 佐太郎 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60027430)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | イオンクロマトグラフィー / 核分裂生成物 / 短寿命核種 / 化学分離 / 希土類元素 / ヨウ素 / 臭素 / アンチモン |
Research Abstract |
電気伝導度計と放射線測定器とを兼備えた放射能イオンクロマトグラフ装置を用いて、原子炉中性子の照射により生じたウランの核分裂生成物を担体の添加なしで迅速に分離する方法を開発した。分離に用いた試料は、中性子照射の結果生じた核分裂生成物を含むウランの水溶液であり、その量は20μlと少量であるため、実験中の被曝量が低減できるのみならず、貴重な僅少試料の分析にも本法は適用できるものである。 陽イオン種として試料水溶液中に存在する核分裂生成物から、ルビジウムセシウムを分離するため、溶離液として硝酸が使用された。電気伝導度計では、極低濃度で存在する核分裂生成イオン種(原子数として10万個程度)は検出できなかったが、放射線検出器(NaI(Tl)検出器)では、短寿命放射性核種が分離検出され、分取することができた。溶離液の流速を毎分1.2mlで実験すると、15分以内で簡単に分離可能であり、短寿命核種の核特性、核分裂収率等が決定されるとともに、長寿命核種による核燃料物質の燃焼度の評価も行うことができる。同様の操作で、ストロンチウム,バリウムの分離も容易に行うことができた。希土類元素については、ネオジム,プラセオジム,セリウム,ランタン等の分離ができた。溶離順序は、原子番号の高い元素から遂次フラクションが得られたので、結果として核分裂収率の低い順番となり、本法がテーリングなどの影響の少ない最適分離法として確立できた。 陰イオン種の分離実験は、主としてハロゲン化学種について行った。臭素は、臭素酸イオンと臭素イオンとであり、ヨウ素は、ヨウ素酸イオンとヨウ素イオンがそれぞれ検出分離された。さらに無担体分離では、ヨウ素核種と固定された不安定なイオン種(次亜ヨウ素酸,亜ヨウ素酸イオンと思われる)も存在することが判明した。また、アンチモンも陰イオン種として、5分程で分離できることも判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)