Project/Area Number |
61580197
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 正知 九大, 工学部, 助手 (40117122)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ガラス固化体 / ヘリウムバブル / 中性子照射 / 等温焼鈍 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
高レベル放射性廃液ガラス固化体には、処分後数千年の間に小量含まれるアクチニド元素のα崩壊によって、1気圧下での溶解度の数100倍のヘリウムが蓄積する。ヘリウムの拡散係数は300℃で【10^(-7)】【cm^2】【S^(-1)】と大きく、過剰のヘリウムは固化体中にバブルを生成し、この結果固化体はスウェリングを示すことが予想される。この挙動は、リサイクル燃料処理後のガラス固化体の安全性を評価する上で特に重要である。 本研究では、以上の推察を実験的に確かめるため、模擬ガラス固化体を京都大学原子炉実験所で照射し、照射前照射後、及び照射後試料を300〜400℃の間で加熱した試料のそれぞれについて、レプリカを取り、これをカーボンレプリカとし、九州大学にて透過型電子顕微鏡で観察した。この結果、照射後、及び加熱後の試料には0.2μmのバブルが観察された。特に照射後加熱した試料には照射直後の試料より明白にバブルの生成が認められた。次に、照射後試料を等温加熱(焼鈍)し、各加熱時間での試料の密度を有機重液を用いた浮沈法で測定した。固化体は加熱によりスウェリングを示しその後ヘリウムを試料外に放出するため、試料体積は照射前に向けて徐々に回復した。 以上の結果をもとに、既に報告されているヘリウムの拡散係数、2)表面張力のデータを用いたバブル内圧を表面張力とバブル径の関係から、ヘリウムがバブルにトラップされる過程とガラス相に再溶解する過程を拡散方程式の中入れ、数値解析法により、固化体のスウェリング挙動と回復過程の説明を試みた。その結果、この過程は、ガラス固化体中のバブルを介してのヘリウムのトラップと再溶解及び拡散によって説明できることが分かった。特に加熱時間が長くなると、ヘリウムの拡散がスウェリングを支配することが分かった。
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