Project/Area Number |
61580224
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大川 和秋 阪大, 教養部, 助手 (30029714)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 【K^+】チャンネル / 【Cl^-】チャンネル / 【Ca^(++)】チャンネル阻害剤 / カルモジュリン阻害剤 / 起電性【H^+】ポンプ / 膜起電力 / 膜コンダクタンス / ジャジク藻原形質膜 |
Research Abstract |
1.シャジク藻原形質膜の電気生理学的研究により、その性質は次のように分類することが出来る。1-1.受動成分:静止時にはリークチャンネル、興奮時には【K^+】及び【Cl^-】チャンネル。1-2.能動成分:主として起電性【H^+】ポンプ成分。1-3.両者の成分を制御する因子としてカルモジュリン・Cキナーゼ系の【Ca^(++)】が関与する系。1-4.膜構造を維持するための【Ca^(++)】。 2.【K^+】チャンネルは電圧依存に開く数の増加する性質を持ち、濃度に依存する。単一チャンネルのコンダクタンス、チャンネルの密度を推定(発表1)。 3.興奮性に関与する【Cl^-】チャンネルは細胞内に流入する【Ca^(++)】イオンにより活性化される。この【Ca^(++)】の流入は【Ca^(++)】に特異的透過性を持つチャンネルである(発表2)。 4.【Ca^(++)】により活性化される【Cl^-】チャンネルは、実はカルモジュュリン系を介して活性化され、また、C-キナーゼ系の作用を介して非活性化されると予想される(発表3,4)。 5.起電性【H^+】ポンプも、カルモジュリンの制御を受けるデータを得ており、現在、速度論的解析を進めている。 6.イカ巨大神経における電圧依存性のNa-Kポンプの特性を解析しており、Na-Ca交換の電気生理学的な立ち場からの解析が進んでいる状況である。(近日中に論文化可能)。 7.シャジク藻原形質膜の構造維持のために【Ca^(++)】が必須であり、膜表面の【Ca^(++)】の歪、あるいは除去は、まず【Cl^-】チャンネルの非活性化因子(C-キナーゼ系)の破壊に結びつくと予想される(発表準備5)。 8.購入の備品により、研究が画期的に進んだことを感謝します。と同時に植物細胞においても電圧依存のチャンネル、電圧依存の化学反応の進行の重要性が益々認識され、そのためにも植物細胞に適した測定回路を徹底的に完成させる必要がある。
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