Project/Area Number |
61580227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
伊達 孝保 金沢医大, 医学部, 助教授 (50019676)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | シグナルペプチダーゼ / 膜タンパク質 / 部位特異的突然変異 |
Research Abstract |
大腸菌膜タンパク質前駆体のシグナルペプチド切断部位のアミノ酸配列はala-Xが圧倒的に多い。シグナルペプチダーゼの切断部位アミノ酸配列の特異性を見る目的で、部位特異的突然変異誘発ができる膜タンパク質発現系ベクターの調製を行った。膜タンパク質として、ファージ生活環の中で膜タンパク質になり、かつ解析の行いやすいM13ファージコートタンパク質を使用した。これまで、ファージコートタンパク質遺伝子をlacやtrpのプロモータの制御下に置いたのでは、抑制状態にあっても遺伝子発現が起こり菌が生育できないという欠点があったため、今回はT7ファージプロモータにこの遺伝子をつなげ、大腸菌に導入してT7ファージ感染による発現誘導を試みた。T7ファージ感染後、経時的に菌を採取し、【^(35)S】-メチオニンで1分間標識したところ、感染後5〜12分でコートタンパク質の生産が誘導された。しかしM13ファージコートタンパク質の生産量は極めて低く、基質特異性を調べるin vivoの実験系には適していなかった。 一方、シグナルペプチダーゼの活性中心を調べる研究に関しては、オリゴヌクレオチドを用いた部位突然変異により、遺伝子中の三つのヒスチジン残基に対応する塩基配列を、それぞれリジン残基などの他のアミノ酸残基に対応する塩基配列に変え、酵素の活性変化を調べた。ヒスチジン残基は多くの酵素において、しばしば電荷リレー系を形成する上で大きな役割りを果しているけれども、このシグナルペプチダーゼに関しては、野性型にくらべ、有意な変化が見られなかった。この点に関してはひき続き検討を行っている。遺伝子操作により、この酵素遺伝子の種々の変異体を作り、ヒスチジン残基以外のアミノ酸残基の可能性についての検討も行っているが、結論を出すにはもう少し時間を要する。
|