Project/Area Number |
61580232
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 農工大, 工学部, 助教授 (10143653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聰 東京大学, 原子核研究所, 助手 (10111577)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | パルス磁場 / 酵母 / 出芽方向制御 / プロトプラストの破裂 / 渦電流場 / 力学的歪 |
Research Abstract |
生物現象に及ぼす磁場の影響の中で、最近特にパルス磁場の効果が注目されている。本研究は、パルス磁場の影響を細胞レベルで解析するために、酵母の出芽方向に及ぼす影響を調べることを目的として遂行し、以下の成果を得た。 〔1〕パルス磁場下での出芽方向分布:常法により培養した酵母細胞1個を顕微鏡下でキャピラリーに吸引固定し、これに電磁極を接近させてパルス磁場(パルス幅6λsec,パルス高さ120ガウス,パルス周波数1KHz)を印加して、出芽方向を調べたところ、磁場の方向に対して垂直の方向に出芽し易いことがわかった。 〔2〕ヒドロキシウレア(HU)で同調させた細胞の出芽方向分布:HUでS期に同調させた細胞について出芽方向を調べたところ、出芽までには少なくとも30分を要する細胞では90゜方向に出芽する傾向が認められた。 〔3〕プロトプラスト破裂方向依存性:顕微鏡下に設置した恒温セル(30℃)に、チモリアーゼ(14u・【ml^(-1)】)を含むリン酸緩衝液((pH7.0,0.1M)を満たし、これに酵母懸濁液を滴下し、細胞1個をキャピラリーに固定した。同時にパルス磁場(パルス幅15-20λsec,パルス高さ695ガウス,パルス周波数1KHz)を印加し、細胞のプロトプラスト化、さらに細胞破裂に至る過程をビデオに記録した。その結果、破裂方向は磁場方向に対して100゜方向に集中した。 〔4〕パルス磁場効果の解析:パルス磁場が印加されると、磁場に垂直な面内に誘導電場(渦電流場)が生じる。これが細胞膜に沿ったイオン流動や細胞膜構成分子の面内流動を起こさせ、その結果細胞膜に力学的歪を生じさせる。この効果は磁場に垂直方向で最大となることが理論的に導けた。 以上によりパルス磁場による出芽方向の制御機構についての基本的知見を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)