高発癌性ブルーム症候群細胞の癌化とヌードマウス移植による癌原物質の検定法確立
Project/Area Number |
61840022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝学
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
白石 行正 高知医大, 医学部, 助教授 (80019570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 俊秀 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (70000221)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 染色体異常 / 姉妹染色分体交換 / 発癌物質 / B-リンパ細胞株 / ブロモデオキシウリジン |
Research Abstract |
本研究では、従来のSCEを指標とした物質の発癌性を検定する方法についてBS患者由来のBリンパ細胞株を用い、より簡単で確実且つ鋭敏な方法を開発すべく研究を行なった。これまで、BS患者末梢血リンパ球にEpstein Barr(EB)ウイルスを感作して多数のBリンパ細胞株を樹立してきたが、SCE頻度、染色体構成により3種類に分類した。タイプ【I】は、BS由来でありながら正常レベルSCE頻度、正常染色体構成(核型)を有する。タイプ【II】は、高頻度SCE形質は保有しながら正常核型を有する。タイプ【III】は、高頻度SCE形質、異常核型を有する。これらの細胞株を用い、種々の発癌剤を検索した結果、BSタイプ【I】の細胞は発癌物質に対する感受性は正常細胞とほぼ同じ程度であり、BSタイプ【II】細胞は培養下でS9mixを必要としない発癌剤については有効であったが、S9mixを必要とする発癌剤については必ずしも有効ではなかった。興味ある事実はBSタイプ【III】の細胞株はこれまで調べた17種類の内、SCE増加の程度の少し弱いものも認められるもののすべてS9mixの存在なしに検定できる利点があることを突き止めた。検定方法としては、BSならびに正常リンパB細胞(1-2x【10^6】cells)にBrdU5.0μg/mlを加え、24時間後に被測定物質もしくは既知の発癌物質0.004-400μg/mlを加え、さらに24時間培養した後、染色体標本を作製した。この染色体標本についてSCE分染を行ない、ヘキスト、ギムザ染色された標本でSCEをカウントし、BSと正常細胞について比較する。BSタイプ【I】と正常細胞はBrdUによるSCEが細胞あたり5.0個程度であるのに対し、BSでは約70個のSCEが見られる。そして、発癌物質処理では正常ならびにBSタイプ【I】ではたかだか10個であるのに、BSタイプ【II】,【III】では70個のSCEの上にさらに細胞あたり70個SCEの増加が見られる。BSタイプ【III】は、発癌物質検定には非常に有益な細胞株であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)