選択性に富む酵素阻害剤ペプチジルアルギニナールの調製法開発と活用
Project/Area Number |
61880015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 信一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90001031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染野 哲也 日本化薬株式会社, 総合研天然物化学研究所, 係長
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | ロイペプチン / アルギニナール誘導体 / トリプシン阻害物質 / トリプシン様酵素 / 精子プロテアーゼ / 卵膜通過 / プロナーゼ |
Research Abstract |
近年蛋白分解酵素は、食物蛋白質の消化という周知の役割に加えて、多種多様な機能蛋白質・ペプチド類をそれぞれの前駆体から限定分解的に生産し更には異化的に代謝する等の、生命現象にとってより本質的な役割を持つとして大きな注目を集めつつある。この様な役割を個々に解析する上で、各酵素の活性を厳しく区別して阻害する化合物の活性は有力な手法を提供する。これらの化合物は優れた医薬ともなろう。この種の役割を司る酵素の中では特に様々なトリプシン様酵素の存在が目立つので、本研究では、放線菌由来のトリプシン阻害物質ロイペプチン〔Acyl-Leu-Leu-Argal(アシル-ロイシル-ロイシル-アルギニナール)の構造を持ち放線菌トリプシンを特に強く阻害する〕を改造して種々のトリプシン様酵素をそれぞれ選択的に阻害しうる各種ペプチジルArgalを調製する為の一般法の確立と得られた新阻害物質の活性とを目指して実験を進めほぼその目的を達成することが出来た。その内容は以下の通り。 (1)ロイペプチンの阻害活性に必須なアルデヒド基をジブチルアセタールの形で保護した後これにプロナーゼPを作用させ、消化産物中よりArgal・ジブチルアセタール(化合物【I】)を単離する。このために最も適した反応条件や分離条件を確立した。(2)化合物【I】に一般的なペプチド合成技法を適用し最後に保護基を(検討した最適条件下で)脱離させて、Boc-Val-Pro-Argal(化合物【II】)を始めとする種々のペプチジルArgalを半化学合成的に調製することに成功した。各種トリプシン様酵素に対するこれら調製品それぞれの阻害選択性についてのデータ集積をも行った。(3)化合物【II】など数種の新阻害物質を活用して、原索動物マボヤの精子に見出した2種のトリプシン様酵素(スペルモシンとアクロシン)が精子の卵膜通過に際して果たす役割の時間的解析を行うことが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)