Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内貴 正治 北海道大学, 獣医学部・家畜生化学教室, 助教授 (10020752)
森岡 恭彦 東京大学, 医学部・第一外科教室, 教授 (10048952)
山口 宣生 東京大学, 医科学研究所・ウィルス学研究部, 教授 (90012723)
木幡 陽 東京大学, 医科学研究所・生物有機化学研究部, 教授 (30030852)
加藤 四郎 大阪大学, 微生物病研究所・感染病理研究部, 教授 (90029752)
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Budget Amount *help |
¥13,100,000 (Direct Cost: ¥13,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥13,100,000 (Direct Cost: ¥13,100,000)
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Research Abstract |
本年度の成果は, 糖脂質抗原のエピトープ, ヒトMoAb産生およびこれらの抗原に対する免疫応答に必須なMHCの発現と機能解析が主なものである. I 糖脂質抗原のエピトープ:消化器癌およびメラノーマ組織より分離・精製したH-D抗原活性をもつ六つの糖脂質分子種:GM3(NeuGc), 4-OAc GM3(NeuGc), GD3(NeuGc), GM2(NeuGc)およびネオラクトシリーズに属するH-D5とH-D7の構造を決めた. メラノーマから分離したGD3(NeuGc)はシアル酸が両者共にNeuGcであるもの, 一方のみNeuGcであるものに分かれ, 後者とH-D抗体および抗-GD3(NeuAc)MoAbとの反応性の比較から, NeuGcが分子の外側に位置することがH-D抗原性に必須条件であることが証明された. II ヒトMoAb産生:ヒト脾リンパ球をConA刺戟細胞の培養上清を加えて培養し, 抗ーμAhとGM3(NeuGc)で刺戟しヒト骨髄腫株KR-12と融合し, 六つのH-D抗体産生ハイブリドーマクローンを得た. これらのクローンは1gM抗体を2μg/mlの濃度で分泌し, 刺戟に用いた抗原に極めて高い特異性を示し, NeuGcをもつが糖鎖が延長した構造をもつH-D5やH-D7には殆ど反応しない. さらに別なアプローチ, EBV-transformationと新たな融合パートナーによるハイブリドーマ法により1gGクラスのH-D MoAbの産生に成功した. III クラスIIMHC抗原:HLA DR, DPおよびDQ抗原の胃癌細胞株での発現をFlowoytometryで同定し, 昨年報告した胃癌組織と同じくDR→DP,DQのみ方向性をもつ"discordant"な発現様式を示すことが明かとなッた. DRのみを発現する株にIFN-γを投与するとDR発現量の増幅とDPとDQの新たな発現がみい出され, DR抗原がallo-MLRの刺戟能をもつことが証明された. さらにこれらの抗原の癌細胞上でのフェノタイプと発現量が, それぞれの遺伝子のRNA転写レベルと対応している事が確かめられた.
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