Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣澤 一成 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30009980)
白木 和子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40012744)
伊庭 英夫 東京大学, 理学部, 助教授 (60111449)
佐藤 周子 愛知がんセンター研究所, 放射線部, 部長 (30073125)
伊藤 嘉明 京都大学, ウィルス研究所, 教授 (80004612)
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Budget Amount *help |
¥25,400,000 (Direct Cost: ¥25,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥25,400,000 (Direct Cost: ¥25,400,000)
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Research Abstract |
核内に局在するがん遺伝子産物の機能を解析し, 発がん機構を明らかにする目的で以下の研究を行った. 1.核内がん遺伝子は, 転写調節因子を誘導し, あるいは, それ自体が調節因子として働き, 細胞増殖に関連する遺伝子を活性化することが示唆されている. この機構を解析し, 活性化を受ける遺伝子を検索した. (1), ポリオーマウイルスのT抗原遺伝子調節領域に結合する因子を解析し, がん遺伝子rasにより誘導される因子を見出した. (2), アデノウイルスE1Bがヒトインターフェロンβ遺伝子を活性化することを明らかにし, その機構を解析中である. (3), SV40トランスフォーム細胞から岡山ーBerg法によりcDNAライブラリーを作成し, T抗原機能により活性化される遺伝子の検索を続けている. (4), fosを転写誘導可能なプロモーターに接続し, 任意にfosの転写誘導を可能にする系を確立した. この系で, fosにより活性化される遺伝子を検索している. 2, 細胞骨格結合蛋白(MAPー1)のリン酸化ががん化を密接に関連していることを明らかにし, リン酸化により構造が明確に変化する例を中間径腺維蛋白質の系で発見した. 3, 大腸箘内で作成したmyc蛋白質を用いて作成した抗体を用い, myc蛋白質は細胞周期G1に主として細胞質に存在するがS期に核へ移行することを明らかにした. 核内においては斑点状に存在することも明らかにした. 4, Vーfos遺伝子の分子遺伝学的解析により, fos蛋白のN末端およびC末端100アミノ酸はトランスフォーメーションに必要でないことも明らかにした. 5, 細胞周期G1からS期への移行に必要な遺伝子をクローニングし, その一次構造を決定した. 6, fosの発生過程の機能を解析する目的でXenopusのcーfosのクローニングを試みている. 7, 核の微細形態学的三次元再構築を凝集クロマチンおよびシナプストネマをマーカーに行い, 核の構造を解析した.
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