Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 芳宏 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50176905)
武藤 健 国立予防衛生研究所, 獣疫部, 室長 (90072884)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
戸沢 秀樹 北里大学, 衛生学部, 教授 (90104562)
本庄 重男 国立予防衛生研究所, 筑波霊長類センター, 所長 (10072878)
|
Research Abstract |
HTLVーIの感染経路とATLの発症機序の解明の為, サルを用いたHTLVーI及びその類似サルウイルスSTLVーIの感染・発症動物モデルを確立し, ウイルス学・免疫学的研究を行うことを目的とした. 1, インドネシア・ケニア現地のサル各3種・2種から新たにSTLVーIを分離し, その性状を明らかにした(太田, 戸沢). 2, ガボン人より分離したHTLVーIは従来報告されていたHTLVーIと異なりチンパンジー由来STLVーIに近かった(石田, 速水). 3, STLVーI自然感染アフリカミドリザルのマイトーゲンに対する幼若化能は非感染サルと同程度で特に抑制は認められなかった. しかし感染サルリンパ球では自発的なチミジンの取込みがみられ, Tac抗原の出現とILー2産生と平行していた(本庄, 武藤, 森). 4, STLVーI自然感染アフリカミドリザルにおけるウイルスの体内分布を調べたところ, リンパ系組織のLeu2a陽性細胞に限られていた(森, 本庄, 速水). 5, STLVーI抗体陽性の妊娠ザル計13匹の帝王切開を行い, その臍帯血, 胎児よりウイルス分離を行ったところ計5匹より分離された(速水, 本庄). 6, HTLVーIのenv,gag,pol遺伝子を組み込んだワクチニアウイルスWR株及びenv遺伝子を組み込んだ弱毒Mo株の効果を調べる為に, サルを用いる前段階としてウサギを用いた予備実験を行った. その結果, いずれもHTLVーI各蛋白に対する抗体産生がみられ, 一部において感染防御効果が認められた(速水, 本庄). 7, STLVーI感染による免疫の解析にあたって, アフリカミドリザルに広く感染しており, STLVーIと同じレトロウイルスの属するSIVの分離を行い, その性状を解析した. SIVの感染したアフリカミドリザルにおいては特に免疫抑制は認められなかった(太田, 本庄, 速水). 8, 同様にカニクイザルに広く感染しており, 免疫とのからみが考えられる腸スピロヘータ症について病理学的検索を行った(武藤, 山田).
|