放射線及び制癌剤による潜在致死障害とその修復機構の研究
Project/Area Number |
62010043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内海 博司 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (20025646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 郁雄 放射線医学総合研究所, 生理病理研究部, 室長 (50159240)
田中 敬正 関西医科大学, 放射線科学, 教授 (40131445)
大西 武雄 奈良医科大学, 生物, 助教授 (60094554)
上田 国寛 京都大学, 医学部, 助教授 (00027070)
松影 昭夫 愛知県がんセンター研究所, 生物部, 部長 (90019571)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥13,500,000 (Direct Cost: ¥13,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥13,500,000 (Direct Cost: ¥13,500,000)
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Keywords | 放射線 / 潜在致死障害 / 修復 / DNApolβ / ポリ(ADPーリボース)合成酵素 / PLD / SLD |
Research Abstract |
本研究の目的は, 放射線や抗癌剤による癌治療における重要な因子でありながら, 末だ方法論的な定義の域を出ないSLDとPLDの実体とその修復機構を解明することである. 第2に, これらの修復機構の相互依存性と独立性を明らかにすると共に, 酵素学的裏付けを取ることである. 第3に, 各修復機構に特異的な阻害剤を見いだし, 癌細胞の修復を阻害して治療の効率を増強したり, 正常細胞の修復を促進して副作用や障害を低減する手がかりをつかむことである. ポリ(ADPーリボース)合成酵素の阻害剤が, X線の障害修復機構のうちの早いPLD修復と遅いPLD修復の両方を阻害することが明らかになった. これまでin vitroの培養系で検討していた3ーABAを含む5薬剤をin vivoの系であるマウス実験腫瘍系で, そのtumor sizeのgrowth delayで抗腫瘍効果を検討した. 放射線感受性のMethーA腫瘍では増感効果を示すものはなかったが, 放射線抵抗性のSFaとNFSa腫瘍では, 単独群よりも薬剤併用群が増殖をやや抑制し, 増感効果を示す興味深い結果を得た. この様にPLD修復にとって重要な酵素と考えられるポリ(ADPーリボース)合成酵素に基質, DNAの結合部位とは別の新しい第3の制御部位がある可能性が示唆された. この新しい部位の阻害による, PLD修復の阻害の特異性を検討中である. ラットDNApolβは大腸菌体内で, 紫外線によってもたらされる損傷の修復(特に除去修復)に働くことが出来ることが明らかになった. その場合UV specific endonucleaseがDNA鎖に切断を入れた後に作用する. また, 5′→3′exonuclease活性を必要とする. このことは, 哺乳類におけるDNA修復には5′→3′exonucleaseが仂いた後にDNApolβが働くと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)