Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 洋道 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00170407)
畑山 巧 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10094484)
鈴木 紀夫 東京大学, 医学部, 教授 (10010050)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
安徳 重敏 九州大学, 医学部, 教授 (40034623)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
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Research Abstract |
昨年にひき続き熱耐性の発現機構の解明とその修飾に関して次の研究成果を得た. (1)ーaラットの全身加温により誘導されるHSPs(HSP70,71,85)をnativeな状態で分離して精製した. 精製したHSPsの諸性質を調べることまで順調に進行し, HSP71A,71Bの性状も興味ある結果が得られた. (1)ーb:永田らは, transformation sensitive HSP(HSP47)について研究し, HSP前駆体の合成は, 熱ショックによって増加し, 逆に細胞のトランスフォーメーションによって減少した. またHSP47は,細胞分化によっても調節をうけていた. (2)安徳らは, HeLa細胞を用い, 個々の細胞の分裂系図を作製し, 系図分析より熱耐性の機構を調べた. 温熱による細胞死は加温後1回も分裂することなく死亡する問期死の割合が多く, 加温条件が著しい程ました. 熱耐性となった細胞は, 同じ生存率を示す正常の細胞と, ほぼ同一の挙動を示し, 熱耐性細胞に特有の性質はみられなかった. (3)薬剤による熱耐性の修飾;膜作用物質であるセファランチンは, in vitroで, 熱耐性をおこす間隔時間に投与しても, 生存率の低下は認められなかったが, 二次加温時間に投与すると耐性を獲得した細胞の生存率の低下が認められた(田中ら). プロカイン, リドカインなどの膜作用物質, コルセミドを加温直後に添加すると, 添加時間と共に, 熱耐性が低下することをみた(安徳ら). (4)in vivoでグルコース投添(6mg/kg)により, 腫瘍のPHは正常部より特異的に低下した. 投与群は加温により腫瘍生長速度に遅れを示した. またpH低下の回復は, 正常部に比べて腫瘍部では, もとの値にまで回復がおくれた(田中). これらの事実は臨床への応用が十分希望がもてる. (5)V79細胞を用いて, 45℃温熱後におこるPLD回復について, 細胞周囲のpHがどんな効果をもたらすかを調べた(坂本ら). (6)低酸素条件が温熱感受性を如何に修飾するかを調べた(鈴木).
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