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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究はヒト胎児肝の主要なチトクロームPー450分子種の一つであるPー450HFLaの生理機能を明らかにし, 胎児性チトクロームPー450(Pー450HFLa)の発現と発癌の関連性を検討することを目的とした. 即ち, Pー450HFLa抗体を用い肝癌組織におけるPー450HFLa発現の確認,組織化学的染色による局在性の検討また,生理機能を利用した活性測定による発現の確認等から発癌と胎児性チトクロームPー450との相関を明らかにすることを目的として, 以下の結果を得た. 1) 再構成系において, 精製Pー450HFLa標品はデヒドロエピアンドロステロン3ー硫酸(DHEAーS)の16α位水酸化を触媒した. また,本活性はチトクロームb_5添加により著しく増加した. 2) 胎児肝におけるPー450HFLa存在量とDHEAーS 16αー水酸化活性の間に高い相関性が認められた. 3) 胎児肝におけるDHEAーS 16αー水酸化活性はPー450 HFLa抗体添加によってほぼ完全に阻害され,Pー450HFLaが胎児肝のDHEAーS 16αー水酸化酵素であることが確証された. 4) HepatoblastomaおよびHepatoma共に陽性染色を示し, その染色程度には差が認められなかったが,いづれの場合も未分化型細胞より分化型細胞がより濃く染色された. 5) 肝癌患者の血中にDHEAーS 16αー水酸化体およびPー450HFLa抗体と反応するたんぱくの存在は確認できなかった. 6) 他の研究グループとの共同研究により, 各種婦人科悪性腫瘍において, Pー450HFLaの局在性が認められた.
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