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¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Research Abstract |
骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome)は主に高令者をおかし, 血液学的に末梢血の汎血球減少と骨髄の異形を伴う正〜過形成像を主徴とする予後不良の疾患である. 本疾患の症例の数十%は経過を追うにつれ, 明らかな急性白血病へと進行することから, 本疾患は前白血病状態の1つと考えられ, 注目を集めてきた. しかしながら, 本疾患のがん遺伝子をはじめとする分子レベルでの病態生理はこれ迄に全く解明されていなかった. 我々は本疾患のがん遺伝子に関して実験を行ない, 以下のような結果を得た. 1.これ迄, がん遺伝子の同定のために汎用されてきたin vitroのNIH・3T3トランスフェクション・アッセイ,即ち, トランスフォーメーションを培養細胞のフォーカス形成で判定する方法では, 調べた骨髄異形成症候群で活性化がん遺伝子を同定することはできなかった. 2.そこで, NIH 3T3細胞をヌードマウス皮下に注射し, その腫瘍形成能によりトランスフォーマントを検定するin vivoトランスフェクション・アッセイを用いた所, 3例の症例について, 有意なトランスフォーマントを得ることができた. 3.上記トランスフォーマントの活性化がん遺伝子はサザン・ブロッティングの結果, ヒトNーrasがん遺伝子であることが明らかになった. 更に, このNーrasがん遺伝子の活性化をきたしている点突然変異は, 通常よく見られる12もしくは61番目のアミノ酸コドンにはなく, 13番目のアミノ酸コドンにあることが明らかになった. 4.上記トランスフェクション・アッセイで陽性を示した症例は全例, 経過を追うにつれ急性白血病へと進行した. 今後Nーrasがん遺伝子の白血病化における意義および, 他の遺伝子の関与を検討する予定である.
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