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¥10,300,000 (Direct Cost: ¥10,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥10,300,000 (Direct Cost: ¥10,300,000)
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Research Abstract |
1 研究目的 DNA損傷を修復する機能は発がんの抑制に仂いていると考えられる. 本研究はヒトおよび実験動物のDNA修復に関与している遺伝子の仂きを明らかにし, それらがどのようにして発がんの抑制に機能しているかを明らかにすることを目的とする. 具体的には以下の各項目の解明をめざす. (1)ヒトの高発がん性遺伝病において, どのようなDNA損傷が発がんのイニシエーションとなっているか, それを抑制するような修復遺伝子の変異によってどのようにして発がんが増大するか. (2)マウス背部に紫外線で発がんさせ, それから培養したがん細胞の特性,特に修復欠損を調べる. (3)上記がん細胞の特性と,in vitroで発がんさせた細胞の特性を比較する. 2 研究経過と成果 日本の色素性乾皮症患者262例について, 皮膚がんの発生年齢・皮膚がんの組織型,患者細胞のDNA修復能などを比較し,さらに中国の患者十数例についても比較した. その結果DNA修復能の欠損が著しいほど早く発がんすること・それは基底細胞がん, 有棘細胞がん,悪性黒色腫のすべてについて確認できることがわかった. マウス背部に作った腫瘍から培養した細胞のうち, 1系統は明らかにACNU高感受性を示し, メチルトランスフェラーゼ活性も〓く,いわゆるMer^-特性を示すことが見出された. これは人工的に作ったがんで最初のMer^-特性の確認である. 一方マウスNIH3T3細胞を,UV,MNNG,ras遺伝子などでトランスフォームした系統は, わずかにメチルトランスフェラーゼ活性の〓下はみられても, Mer^-水準よりは高く,マウス背部がんのような変化はみられなかった. UVによってどのようなDNA損傷が生じたために, DNA修復能が変化したのか, 本研究をあと1本継続して明らかにしたい.
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