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¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Research Abstract |
1.ORF蛋白の精製.ORF遺伝子にβーgalactosidase遺伝子を融合,これを大腸菌内で発現せしめて生化学的手段により精製した. 2.抗ORF血清の作製.上記融合蛋白で家兎を免疫,その抗血清からβーgalactosidase親和カラムを素通しL融合蛋白親和カラムに結合するORF特異抗体分画を得た. 3.ORF高度発現系の樹立. RSVLTR又はマウス乳癌ウィルス(MMTV)LTRの下流に,C3Hマウス又はGRマウス由来のMMTV ORF遺伝子を接続し,PSv2neoプラスミドに組込んで,マウス正常乳腺細胞株C57MG又はネコ腎細胞株CRFKにトランスフェクトし,ネオマイシン抵抗クロン20株を単離した. このうち,MMTVーLTRを用いたコンストラクトをCRFKに導入した場合,最も多くのORFmRNAが検出され,Northern法で1.5kbのORFmRNAバンドが同定された. 但しcisに位置するSV40エンハンサーの影響か,デキサメサゾン(Dx)によるORFmRNAの増強は二倍程度と弱く,又,read through産物と推定される3kbのRNAが多量に認められたため,MMTVーLTR/ORFとPSV2neoとをC57MG又はCRFKにcoーtransfectした系を確立中である. Dx反応性の高い系が得せれつつある. 4.リンパ性白血病に随伴するMMTVのORF変異. DBA/2マウスの自然発症リンパ性白血病7株全例において,MMTVのextra provirus cooiesの出現とそのLTRu_3領域の欠損とを確認した. 精査した1例ではその欠損はU_3領域の670〜1020bpに及んでいた. これはC57BlマウスのELー4白血病で,TPAでORF蛋白の発現を増強した際,ORFmRNAが約1.0kbと小さいこととよく対応している. 5.今後の研究計画.リンパ性白血病のMMTVに欠損があることは,ORF蛋白にも相当の欠損があることを意味し,これがMMTVの乳腺よりリンパ球への組織親和性の転換と白血病原性とに関与している可能性が高い. 今後は非欠損性ORF蛋白との対比において,これらの性状や細胞内局在の解明に全力をあげたい. 6.その他,MMTVLTRとの比較のため,ジャコウネズミの乳癌ウィルスのLTRの構造を記載した. 本LTR中にORFは認められなかった.
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